葉や茎がトゲに包まれているアザミですが、実は食用として山菜シーズンなどに重宝されているのはご存知でしょうか?
では、そんなアザミの食べ方について紹介します。
アザミの茎は初夏に食べる!食べ方のススメ
アザミの仲間はとても多く、日本に自生している種類だけでも100種を超えるといいます。どの種類のアザミにも毒をもつものはなく、特に日本では日本海側のみに自生するサワアザミ、本州全体に自生しているノアザミやモリアザミが一般的に食用として親しまれています。
その多くは新芽や根を天ぷらにして食べられていますが、山間部の観光地などでは「山ゴボウ」「菊ゴボウ」として味噌漬けにされたモリアザミが販売されていることが多いようです。
アザミの旬は沿岸部ですと雪が消えた直後の3月中旬から。初夏には背丈が高くなった若い茎を食します。アザミの葉は生のまま味噌汁に入れることもあるようです。また茹でて皮をむいて天ぷら、炒め物、煮物などにも使われます。
対してアザミの茎は葉とは違ってアクが強いので、ここで少しひと手間を加えます。沸騰したお湯塩を一つまみ入れて、洗ったアザミを茶色のアクが出てくるまで長めに茹でます。そのあと水にさらして軽く水を絞って皮をむきます。適当な長さに切って鶏肉などと煮つけにしたり、炒め物にしたり胡麻和えなどにすると美味しく召し上がれます。また、マヨネーズをつけて食べるのも美味です。シャキッとした歯ざわりがくせになりますよ。
因みに、商品名や地域でヤマ「ゴボウ」と呼ばれていますがアザミはキク科の植物であり、ヤマゴボウ科のヨウシュヤマゴボウは全体にわたって有毒な植物な全く別の植物です。ヤマゴボウ科の植物は食べると腹痛・嘔吐・下痢を起こし最悪命に関わるほどの毒を持ちます。
特にヨウシュヤマゴボウの若い株は花が咲いていない状態はモリアザミに似ている、ということと、名前の混同から誤認して食べてしまうケースもあるようです。よく注意しましょう。
また、アザミには葉にも鋭いとげがあります。自生しているアザミを採取するときは必ず手袋をしてくださいね。
【まとめ】
古くから解毒や利尿、止血作用があるとされ、苦みには肝臓の機能を強化してくれる作用もあるのだそうです。アザミというと観葉植物としてのイメージが強いかもしれませんが、実は根から種子まで薬用としても親しまれているのですね。アクはありますが、処理をして皮をむいたみずみずしい姿の若芽の茎はなんとも美味しそうです。