北半球に多く分布し、日本国内でも郊外で日当たりが良いところなどにさり気なく生えていたりするアザミですが、開花前の状態ですと刈りこみが行われていたりすると、気付かず刈られてしまっていることも多いです。そんな、野山ではよく野生で生えているのを見かけるアザミですが、その他にも園芸品種が存在します。
野山ではよく見るアザミの花、どこで販売されているの?
アザミの仲間は種類の識別が難しいことでも知られていて、識別するには花の大きさや付き方、総苞と総苞片の付き方と形、開花時の根元の葉の有無などを確認しますが、その土地のほかのアザミと交雑していることもしばしばあるのだとか。そんなノアザミでも白い花を持つシロバナノアザミや赤アザミなど、山野草の中でも珍しくファンや愛好家が多い種類もありますが、前述ふたつの種類は殆ど市場には出回っていません。
他にも、時に食用として栽培され、季節の花としてお茶の席などで好まれるモリアザミや、葉のトゲがひときわ大きなオニアザミなど、自生している種類はとても多いのですが出回っている種類は実はあまり多くはないのです。
主に市場に出ているアザミの多くは「テラオカアザミ」と呼ばれる種類で、こちらは古典園芸品種として親しまれてきた歴史があります。いわゆる、普通のアザミとして思い浮かべるのが自生しているノアザミですが(春になると咲くのは大体この種類です)、これを改良して作られた品種が、昭和初期に生まれたこの「テラオカアザミ」なのです。この園芸種群には切り花用の「アーリー・シリーズ」や大輪の「楽音寺」などもあります。種や苗がホームセンターなどでも販売されており、また、インターネットで検索をかけてみると通販でも販売されています。
値段は9cmポットひとつでおよそ200円から350円前後が相場のようです。切り花では1本あたり200円前後です。ネットですと、種より苗で販売されているところをよく見ます。
因みに、イタリア料理に欠かせないアーティチョークはチョウセンアザミ属、ハーブとして用いられることのあるマリアアザミ(ミルクシスル)はオオアザミ属の植物なので、正確に言うと近縁ですが別の種類の植物となります。ちょっとややこしいですね。
【まとめ】
アザミと一口に言っても本当にたくさんあるのですね。前述した植物の他にも、逆に名前は全く違っても形が似ていることからアザミと近縁にあるとされる花もたくさんあるようです。未だに新種が見つかっている花でもあるので、私たちが知らないだけでもっとたくさんあるのかもしれません。
アザミは値段的にとてもリーズナブルですし、トゲはありますが花もぽわぽわとした形が何とも可愛らしい花です。園芸に興味が出たら一度育ててみても良いのではないでしょうか。