アザミの葉や茎は食用にできますが、花そのものを食べることはできません。
しかし1種類だけ例外があります。それはチョウセンアザミです。チョウセンアザミは欧米においてアーティチョークと呼ばれ、春に食べる野菜として広く親しまれています。
チョウセンアザミはアザミの親戚にあたる植物です。もとは野生のアザミの一種でしたが、古代ギリシャ・ローマ時代から品種改良を繰り返し、15世紀のイタリアで、現在の形のアーティチョークの栽培がはじまりました。
アーティチョーク(チョウセンアザミの花のつぼみ)を食べる方法
チョウセンアザミも、花そのものを食べるわけではありません。正確には花が咲く前の若いつぼみを食用にするのです。
チョウセンアザミは高さ2メートル弱、葉の大きさは50センチから80センチという大きな植物で、6月から8月ごろに花が咲きます。
アーティチョーク、つまりチョウセンアザミの若いつぼみは、10センチから15センチほどの大きさで、ウロコのような形をしたガク(萼)の部分が丸く重なりあっています。アーティチョークには緑色のものと紫色のものの2種類があります。
アーティチョークは、ゆでるか蒸すかして食べるのが基本です。食べることができるのはガクの芯の部分(ボトムあるいはハートと呼ばれる)と根元だけで、可食部がたった20%ほどしかありません。ただし、この20%の部分がほんのりと甘みがあり、ホクホクしていてとても美味しいのです。
アーティチョークはサラダをはじめ、グリルしたり炒めたり煮込んだりして食べることができます。
しかしアーティチョークの最もポピュラーな食べ方は、萼の先端を切り落としてゆでるか蒸すかすることです。調理の際にはえぐ味を除くために、塩とレモン汁(あるいは酢)を加えます。十分に柔らかくなったら萼の部分を一枚ずつ外し、そのつけ根の肉厚な部分を、歯でこそぎ取るようにして食べて下さい。
食べるときにはマヨネーズやバターをつけると、より美味しく食べることができます。
【まとめ】
アザミの花を食用にすることはできません。しかしその仲間であるチョウセンアザミの若いつぼみは、例外です。日本では馴染みが薄い食材ですが、欧米ではアーティチョークという名の野菜として普及しています。
アーティチョークの可食部はごくわずかです。しかし食べられる部分は甘くホクホクしていてなかなか美味しく、食べた感じが百合根に似ているといわれることもあります。