菊は、古代中国において、延命長寿の花としてお茶やお酒、また漢方薬として使われていました。しかし、菊の花は苦みが強く、おいしい物ではありません。菊をおいしく食べられるようにと、食用菊は考えられたようです。

今回は食用菊と鑑賞用の菊との違いについて紹介します。

食用菊と鑑賞用の菊のちがいは?

食用菊 菊 違い

食用菊と鑑賞用の菊の違いを一言で言ってしまうと、食べておいしいか、そうでないかです。

菊は日本に奈良時代に中国から日本に渡ってきました。当時は薬や鑑賞用として利用していたようです。

日本でいつから花を食べるようになったのかは、はっきりとわかっていませんが、食用菊の文献が現れるのは江戸時代からです。

現在は東北や、新潟で多く食べられている食用菊ですが、かつてはもっと多くの地域で菊は食べられていたようです。

よくお刺身についている黄色の小さな菊は一般的に「つまぎく」と言われています。菊には殺菌作用があるので、刺身と一緒に食べると毒消しになります。

つまぎくは、花びらをちぎって醤油につけて食べます。対して、スーパーなどで売っている菊はまとまった花びらをそのまま食べるので料理菊とも言われ、お浸しや酢の物、天ぷらなどにして食べます。

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また、菊には食べられないものはない、といわれていますので、どんな菊も食べる事はできますが、庭などに生えている菊には虫がついている事もあります。

そのため、食用菊として販売されているものは食べても大丈夫なように消毒をされています。

食用菊は、発がんの抑制、コレステロールの低下、中性脂肪の低下などの効果があるといわれています。また抗酸化作用が強いベータカロテンやビタミンC、葉酸などのビタミンBも含まれています。

日本で有名な食用菊には2種類あり、「延命楽」と「安房宮」です。延命楽は山形で「もってのほか」、新潟では「かきのもと」といわれている紫色の中輪の菊です。

安房宮は青森の八戸の特産品で黄色の八重咲きの菊です。

まとめ

食用菊は薬効がある菊をおいしく食べられるように品種改良されてきたものです。食用でない菊の花はとても苦いそうです。最初に菊の花を食べた人は、何を考えてたべたのでしょう。しかし、過去に菊の花を食べた人たちのおかげで今私達はおいしい菊の花をたべられるので、感謝しなければなりませんね。