居酒屋などで刺身の盛り合わせを頼んだり、スーパーでパックのお刺身を購入すると、飾りとして黄色い菊の花が添えられていることがあります。
ほとんどの人はただの飾りだと思い、食べることはなく残してしまうのではないでしょうか。
添え物の菊は、食べられるのでしょうか。菊が刺身に添えられているのには、何か意味や効果があるのでしょうか。
刺身に添えられている菊の花の食べ方は?
刺身に添えられている菊は食用に品種改良された菊なので、基本的には食べても大丈夫です。食用菊には黄色だけではなく、紫色の小菊もあります。
食用菊を食べる時には、ヘタの部分から花びらだけをちぎって、醤油に浮かべるのが正しい食べ方です。
茎やヘタの部分を食べると苦みを感じるため、花びらのみを食べます。
菊の花びらが浮いた醤油にお刺身をつけて、お刺身に花びらを乗せて一緒に食べます。こうすると、菊の花の豊かな香りが醤油へと移り、刺身を食べた時に花びらのシャキシャキした食感が良いアクセントとなり楽しめます。
お醤油と花びらの黄色のコントラストが美しく、見た目でも料理を味わうことができます。
また、お刺身を食べた後のお口直しにも役立ちます。
脂が多く乗ったお刺身は美味しいですが、食べている途中で少々くどく感じる時があります。
その場合でも、食用菊と一緒に食べることでさっぱりとた味わいになるため、味を変える意味でも食用菊を一緒に食べることはおすすめです。
刺身に添えられている菊の花にはどんな効果があるの?
昔から中国では、延命長寿の漢方薬として菊の花を食べる習慣がありました。
日本に菊が伝わってからも、お祝いの席で菊花酒を飲むなど、食用として菊を食べる文化は続いています。
食用菊は、お刺身の彩りを良くしたり味を変える意味がありますが、食中毒を防ぐ効果も高いです。
昔のように冷蔵技術がなかった時代は、刺身を食べた時の食中毒対策として一緒に食べたといわれています。
菊の花には毒物を分解するグルタチオンと呼ばれる、酵素を増やす成分が含まれています。菊の花は殺菌作用が強いだけではなく、目の疲れを和らげたり血圧を下げる効果などもあります。
まとめ
お刺身に菊が添えられているのには、刺身を口に入れた瞬間の食感の変化を楽しんだり、食中毒を防止するなど、きちんとした理由がありました。
試しにお刺身に添えられている食用菊を刺身と一緒に食べてみると、新たな美味しさに巡り会えるかもしれません。