菊はもともと中国原産の花で、薬用や食用として2,000年以上の昔から作られてきました。日本には8~9世紀頃に大陸から伝わり、平安時代以降に観賞用として作られるようになりました。

美しく華麗に咲く菊の花ですが、急に枯れてしまう時があります。なぜ菊の花が枯れてしまうのか、原因と対策について解説します。

菊の花が枯れる原因は一体なに?

菊 枯れる 原因

菊の花が開花した後、外側の花弁の先端そばから茶色く変色して枯れていくことがあります。特に5月 から 11月にかけて発生することが多いです。また大輪や中輪の菊に多く発生し、小輪の菊にはほとんど発生しません。

これは花枯病(はながれびょう)という病気です。外側から徐々に内側に向かって茶色く枯れていきますが、特に外側に露出した部分で発生することが多いです。

最初は斑点から始まり、淡褐色から濃褐色になっていき、花弁が枯れていきます。病斑の周辺は不鮮明のことも多いです。

ですが、酷くなっても花芯まで枯れることはまずありません。

この病気の病原菌はイテルソニリア・ペルプレクサンスというカビ(糸状菌)の一種で、広く分布しています。

この菌は20度が適温といわれています。そのため、15~25度で発病しやすくなります。この菌は花や枯れ葉に寄生して、冬には土壌中に潜んで越冬します。翌春にその菌から胞子が飛び散って第1次伝染します。

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この菌は風雨や水しぶきによって更に飛び散り、第2次伝染を引き起こします。そのため、梅雨の時期や夏の長雨などで湿度が高い状態が続くと、多く発生します。

排水を良くしたり、雨よけをして花に水がかからないように気を配り、風通しを良くすることで過度の湿気を避ける必要があります。

花枯病を発病した場合は、残念ながら効果のある農薬がありません。

伝染の拡大を防ぐために、被害の花を摘んで焼却するか、1メートル以上深い土の中に埋めるしかありません。

またチッソ過多は病気の進行を促進してしまいます。チッソ質肥料を多く使うことをやめて、過密に植えないように気をつけましょう。

まとめ

花枯病は、一般的に雨の多い時期での発病が多いです。

菊は比較的病気にかかりにくい花ですが、梅雨の季節や真夏の台風の時期など高温多湿の時には、注意を払うことが肝要です。

何よりも病気の予防を心がけ、菊の花が育つような環境を整えるようにしましょう。