最近はバイオ技術が発達し、また、品種改良によって見たことがないような美しい花や丈夫な花ができてくるのは、栽培を行う側から見るととてもありがたいことです。しかし、自然の中で生まれてきた原種の花には、人の手では生み出すことは難しい美しさがあります。
今回はカトレアの原種について紹介します。
カトレア原種の特徴や種類は?
カトレア原種の特徴は?
カトレアの原種が初めて発見されたのが、19世紀でその後も多くの原種が発見されてきました。
カトレアの原種で今発見されているものは、中南米(ブラジル、ベネズエラ、コロンビアなど)に約50種類くらいあるといわれています。
カトレアは着生ランの一種で、木の幹はなどにくっついた状態で生息しています。ランが進化の順位としては遅く現れたため、他の植物との競争を避けようと、土中に根を張る通常の植物のような生活を選ばずに現在の形を選んだといわれています。
カトレア原種の中には、原種とは思えない様な鮮やかな花色を咲かせるものが多くありますが、原種の最大の特徴は、生まれ育った環境に適応するための命の美しさではないでしょうか。
例えば、同一品種のカトレアでも、育つ環境によって大きく違いを見せます。その種にとって環境が最適であれば大きく育ち、環境が不適切であっても体を小さくして、花の色を薄めて生存をはかる、そんな逞しさを見ることができます。
しかし、交配種と比べるとやはり少し繊細なところがあります。例えば、植え替えなどには充分注意が必要です。
当たり前ですが、自生地では植え替えすることはありません。カトレアの24時間の周期や、四季の周期をよく理解して植え替えなどの作業を行う必要があります。
カトレア原種の種類は?
主な原種の種類を以下に記します。(カッコ内は原産国)
・クアドリカラー(コロンビア) ・ガスケリアナ(コロンビア、ベネズエラ)
・トリアネイ(コロンビア) ・ラビアタ(ブラジル)
・パーシバリアナ(ベネズエラ) ・シュロデレー(コロンビア)
・ワーネリー(ブラジル) ・モッシエ(ベネズエラ)
・ジェンマニー(ベネズエラ) ・ワーセウィッチ(コロンビア)
・ワルケリアナ(ブラジル) ・インターメディア(ブラジル)
・ハリソニアナ(ブラジル) ・フォルベシー(ブラジル)
・グッタータ(ブラジル) ・エロンガータ(ブラジル)
・レオポルディー(ブラジル) ・アメジストロロッサ(ブラジル)
・ロディゲシー(ブラジル、アルゼンチン)
・ビカラー(ブラジル) ・マキシマ(エクアドル、コロンビア、ペルー)
・スキネリー(グアテマラ、パナマ)
まとめ
カトレア原種は、交配種に比べて栽培が難しいといわれていますが、近年では、その希少さと、ほとんどの原種は香りがよいということで人気が出ています。
交配種にはない、味わいがきっとあると思います。カトレア栽培に自信のある方はぜひ挑戦してはいかがでしょうか。