菊は日本では昔から多くの人から愛されてきた花です。時節の節目である、お正月やお月見、七五三などを飾る花として、また冠婚葬祭にも必ず登場する花です。菊は愛知県で最も多く生産されています。
今回は愛知県の菊の生産慮と出荷量に関して紹介します。
愛知県の菊の生産量はどれくらい?
日本の花の生産が始まったのは、大正末期から昭和初期といわれ、最初は東京の周辺地域から始まりました。その後、経済の高度成長期には、国民の生活水準が向上して、花の栽培生産も増えてきました。特に生産量の伸びが著しいのが菊でした。
愛知県・渥美半島は、太平洋へ突き出ており、温暖な気候のため、菊の生産に適していました。戦後すぐに、夜間に照明をつける事で開花時期を調整し、需要の多い正月や春の彼岸に多く生産できるようにしました。
高度成長期に豊川用水が完成したことで、水の確保もできるようになり、菊作りの環境が整い菊の生産量日本一に成長しました。
特に渥美半島内でも田原市は、愛知県の菊生産量の約80%を占めている大生産地です。愛知県の菊の生産量は、1976年には全国の20%位の割合だったのが、今では30%とほぼ全国の1/3にまで増加しています。
また愛知県では、菊の育種もさかんに行われており、白系の菊「白枠」や夏の黄色の菊「夏のきらめき」、「夏のあゆみ」ピンク系にスプレー菊「スプレーアイチ夏1号」などの作品も作られています。
日本の菊の2016年度の生産量は、約151万本ですが、愛知県は約30%の約4万7千本を生産しており、もちろん全国1位です。2位の沖縄県は約2万8千本、3位は鹿児島県の9千5百万本ですから、愛知県は大きく差をつけての1位です。
愛知県の菊の出荷量はどれくらい?
農林水産省から発表されている数字には、生産量(出荷量)と記載され、大きな違いはないので、出荷量は生産量と同じと考えて差し支えないでしょう。
まとめ
愛知県は、2000年位までは順調に生産量を伸ばしてきましたが、近年は菊の輸入量が増加し、特に赤道に近くのマレーシアが菊栽培に適した環境のため、頭うち、もしくは減少傾向にあるといえます。
また、今までは白菊が好まれましたが、最近ではカラフルな色使いの菊の需要が多くなってきています。今後はニーズの変化に対応していけるかどうかが課題となってくるでしょう。