スミレは生き残っていくために、種をたくさん作りだし、できるだけ遠くへ飛ばすと言われています。
種を飛ばすと言っても、一体どれくらいの距離まで飛ばすのでしょうか?
そこで今回の記事では、スミレの種が飛ぶ距離について説明したいと思います。
スミレの種が飛ぶ距離はどれくらい?
スミレは春の花の終わった後に結実し、さらに夏から秋にかけて閉鎖花というつぼみを付けて自家受粉を行い結実し、種子を作ると言われています。
この結実したスミレの実は、種子が熟していない若いうちは下を向いていますが、中の種が成熟すると上を向き直立するそうです。
これは、高い位置に実を押し上げることで、できるだけ種子を遠くに飛ばすためだと考えられています。
このように上に掲げられた殻は見かけよりも硬く、晴れた日にその硬い殻が3つに割れ、種がむき出しになります。
ここではまだ種は殻にしっかりと付いているため、こぼれ落ちることはないそうです。
そして徐々に、3つに割れた殻がそれぞれ縦に閉じていき、種をつまむように圧迫するため、種は勢いよく弾き飛ばされると言われています。
このスミレの種はそれぞれ色々な方向へ飛びますが、飛ぶ距離としては50㎝~3mくらいが多いようです。
ただし条件によっては、5m近く飛ぶものもあると言われています。
このようにスミレは、種をできるだけ遠くに飛ばして繁殖を行いますが、さらに種を遠くに運ぶために、アリを利用するそうです。
スミレの種には、エライオソームという白い塊が付着しており、これにアリを誘引する成分が含まれていると言われています。
エライオソームに誘引されたアリは、スミレの思惑通りに種を遠くの巣まで運ぶそうです。
アリは種を食べることはなく、エライオソームだけを外し、種は巣の外に運び出されそこで芽生えを待つと言われています。
まとめ
スミレは他の植物との生存競争に勝つために、色々な工夫をしており、その一つが種を遠くまで弾き飛ばすと言うことのようです。
飛ばされた種は5m近く飛ぶこともあり、さらにそこからアリにさらに遠くへ運ばせるという念の入れようです。
スミレのような小さな植物が生き残っていくためには、大変な努力が必要なのですね。