北海道にはじめじめした梅雨がありません。真夏でも気温が30℃を越えるのはほんの数日で、熱帯夜に悩むことも珍しいくらいです。ただし真冬の寒さは厳しくて、日中でも氷点下が当たり前となります。

 

そのため北海道では、ラベンダーのさまざまな品種のうちでも、耐暑性が弱く温暖な土地では育てるのが難しいといわれる、香りの素晴らしいアングスティフォリア系のラベンダー(コモンラベンダー)の栽培が比較的容易です。有名な富良野のラベンダーもコモンラベンダーです。

ラベンダー 北海道 育て方

北海道でのラベンダーの育て方

北海道だから、あるいはコモンラベンダーだからといって、育て方に特別な違いが生まれるわけではありません。春に苗を植え付け、開花後は収穫を兼ねて剪定を行い、夏越しをして、やがて冬越しに突入する、といったカレンダーに従います。

 

本州以南の暖かい地域との大きな違いは、夏越しに関してそれほど神経質になる必要がないということと、冬越しの問題が発生することくらいでしょう。

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北海道でラベンダーを冬越しさせる方法

コモンラベンダーには十分な耐寒性があるため、地植えの場合には、冬越しのための特別な作業の必要はありません。北海道では雪が降ります。そして積もった雪が天然の「ふとん」の役割を果たして、ラベンダーの株を十分に保温してくれるからです。

ただし同じ寒さの厳しい北海道であっても積雪がほとんどない地域では、ラベンダーの冬越しは困難だといわれています。このような地域では地面が凍ってしまうのを防ぐため、ワラなどを厚く敷いて株を保護してやるといった対策が必要になります。

 

一方鉢植えのラベンダーの場合には、状況が異なります。鉢の中の土は凍りやすく、ラベンダーの根を痛めてしまうからです。このような事態を防ぐため、鉢ごとラベンダーを雪の中に埋めるといった対策がとられることがあります。埋めることのできる雪がない集合住宅などの場合には、鉢を室内に入れて管理することになります。

【まとめ】

北海道では、コモンラベンダーがよく育ちます。コモンラベンダーは耐暑性が弱い代わりに耐寒性があるので、北海道の気候に向いているといえます。厳しい冬を越えないといけないという宿命がありますが、冬期には積もった雪がラベンダーのふとんの役割を果たして、春まで保護してくれます。