カキツバタは、初夏を知らせてくれる大きな濃い紫色の花をつけるのが特徴的です。特に花びらの真ん中に見える白い筋が、また一段と紫色を際立たせています。
平安時代より歌に詠まれることが多く、また屏風絵にも描かれてきました。このようにカキツバタは昔から馴染みのある花ですが、見ごろとなる開花時期はいつ頃なのでしょうか?
カキツバタの見頃の時期とは?
カキツバタによく似ているのが、「アヤメ」と「ハナショウブ」と言われる植物です。いずれも初夏に咲く花として言われています。開花順は、まず「アヤメ」が4月から開花をし始め、その次に水辺の主役と言われる「カキツバタ」、最後に「ハナショウブ」となっています。
カキツバタの見頃は5月~6月と言われております。ですが、その年の天候によっても左右されますが、一般的には5月の中旬から下旬頃が主な開花時期と言われております。カキツバタは水質地を好み、10センチはあるであろう濃紫色の大きな花が咲きます。中には白色の花をつけるカキツバタもあります。
場所によっては、ごく一部ですが自然のままにしてあるところもあり、栽培してある場所と比べると背丈が低い特徴があります。自然のままということなので、もちろん咲く時期にもばらつきが生じてしまいますが、花の色や大きさもバラバラなところが、より一層初夏の景色を味わうことができるのではないでしょうか。
現在日本の国内では自生するカキツバタはほとんど見ることができません。これは環境の変化により影響されたと言われていますが、江戸時代の前半期では多くの品種が栽培されていました。その後品種の改良が進み、江戸時代の後半期でカキツバタに似ている「ショウブ」が出回り始めたとも言われております。
【まとめ】
初夏を知らせてくれるカキツバタは、非常に上品な姿をしております。その美しい紫色が、平安時代より歌人に愛され続けてきたのかもしれません。また池のほとりで白色の花をつけるカキツバタは、なんとも言えない雅な姿をしており、自然の宝庫として苑内に咲いている場所もあります。柔らかな光の中で見せるカキツバタは、夏の気配もした景色を見せてくれています。
凛とした佇まいをみせるカキツバタを見に、各地の名所を歩いてみてはいかかでしょうか。