春は、赤やピンクや白といった鮮やかな色のアザミの花が庭をいろどる季節です。
しかしアザミの花は、紫色ではなかったでしょうか?いったい紫色のアザミはいつ咲くのでしょうか?
アザミの開花時期は、春から秋まで長期にわたります。もしかしたら紫色のアザミは、夏か秋に開花するのかもしれません。
ここではアザミの色とそれらが咲く季節について、説明をすることにします。
紫色のアザミは夏に咲く?
日本には100種類以上のアザミが自生しています。亜種・変種も多くあり、すべてを把握することは不可能なほどです。今でもときたま新種が見つかります。おまけにアザミはとても交雑しやすい性質であるため、雑種も多く存在しています。
日本で最もありふれたアザミである野生種のノアザミや、ノアザミを品種改良した園芸種のドイツアザミは、春から咲き始めます。春のアザミといえば、ノアザミかドイツアザミに限られています。
ノアザミは、春から秋まで咲き続けます。花の色は紫色のものが大半ですが、白や黄色のものもまれに見つけることができます。
一方ドイツアザミの方は、赤やピンクや白といったカラフルな色が魅力です。
これら2品種の印象が強いため、アザミは春の花だと考えている人が多いのかもしれません。
そして春に咲く園芸種の華やかさが、地味な野生種の紫色の印象を、かき消してしまっているののではないでしょうか。。
意外に思うかもしれませんが、実はほとんどのアザミが夏から秋にかけて開花します。夏や秋に咲くアザミは野生種が中心で、紫色や赤紫色の花を咲かせるものがほとんどです。
これらの代表例として、次のような品種を紹介することができます。
フジアザミ(特大の花が咲く)、ハマアザミ(海岸に自生する) 、モリアザミ(根を「ヤマゴボウ」と呼んで食用にする)、ナンブアザミ(高さ2メートル近くまで成長)、キセルアザミ(湿地に自生する、横向きか下向きのキセル型の花)
【まとめ】
以上より、紫色のアザミの花は夏と秋の季節だけでなく、春から秋の開花シーズンを通じて、常に咲き続けていることがわかりました。
春は華やかな園芸種の印象が強すぎるため、そこら辺に当たり前のように生えている、紫色の野生種の影が薄くなっているだけだったのです。