つつじに発生する病気には葉に症状が現れるものが多いですが、枝に発生する病気もあります。すぐに枯れてしまうような病気は少ないですが、生育に悪影響があるのは言うまでもありません。では、つつじの枝に発生する病気にはどんなものがあるでしょうか。
つつじの枝に異常がみられる病気とその対処法
つつじの枝に異常がみられる病気にてんぐ巣病というものがあります。枝の先が細かく枝分かれしてほうきのようになったり、枝の途中に小さなこぶができてそこから細かい小枝がたくさん発生したりします。それらは次第に広がっていき多数の枝が密生した鳥の巣のようになります。発生した小枝は花をつけずに正常な枝よりも早く小さい葉をたくさんつけ、しばらくすると葉は褐色に変化し委縮します。発病後すぐにつつじ自体が枯れてしまうことはありませんが周りの健康な枝にも伝染していき、全体が病巣化してしまいます。病巣の寿命は短いのですが折損しやすいので別の病気を併発しやすくなってしまいます。病巣の葉に発生する灰白色や白色の粉状のものが胞子で、雨に溶けて飛散し伝染します。予防策は今のところなく、発病してしまったら、病巣のもとにあるこぶ部分を残さないよう切除し焼却してください。完全に感染源を除去するまで切除を繰り返して再発を予防しましょう。
害虫が原因で枝や葉が病気にかかってしまうこともあります。そのひとつがすす病で、枝や葉などの表面がまるですすを被っているように黒く汚れた状態になってしまいます。このすすは次第に広がっていき、見た目が悪くなってしまうのはもちろん、葉に付着していると光合成の妨げになります。アブラムシなどの害虫の排泄物や分泌物に寄生し広がっていきます。また、植物自体に寄生する場合もあり、害虫がいる部分以外にも発生します。予防策としては、病原菌の発生の原因となる害虫を寄せ付けないことと、害虫を発見したら早期に適切な方法で駆除することが大切です。また、通気性や日当たりが悪く多湿になってしまうと発生しやすくなるので、密生を避けこまめな剪定が大切です。
【まとめ】
つつじの枝が変形してしまうてんぐ巣病や、害虫によって枝だけでなく葉などにも症状が現れるすす病など、枝も病気にかかってしまうことがわかりました。てんぐ巣病に関しては予防策がないので、発病してしまった際には早期にこぶを残さず枝の切除を繰り返し、再発を防ぐことが大切です。害虫が原因のすす病などは、害虫が寄り付かないようにすることと害虫が発生した際には早期発見と適切な対処を行ってつつじを綺麗に保つことが大切です。葉が茂っていると枝の異常に気が付くのが遅れてしまいがちかもしれませんが、こまめに剪定を行って枝の状態もきちんと確認することが早期発見への近道といえるでしょう。