椿は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹になります。常緑樹は1年中葉をつけている樹木のことを言いますが、椿も一年中、濃い緑色の丈夫な厚い葉を落とさずにつけています。
現在、日本には1000種類を超える品種があり、日本でもっとも愛される花の一つと言っても過言ではありません。ちなみに、学名はカメリア・ジャポニカになります。
その椿の花に似た侘助という花があることをご存知でしょうか。椿と侘助には、どんな違いがあるのか、調べてみたいと思います。
椿と侘助はどこに違いがあるの?
茶道をする人は、侘助と聞けば、千利休を思いだすのではないでしょうか。利休は、豊臣秀吉に愛された茶人ですが、その彼が茶室に飾る花として、好んで用いた花が侘助になります。
まず侘助についてですが、侘助には2つの流れがあります。1つには、椿の王様である太郎冠者を親とするものです。こちらの花の特徴は、雄しべの花粉袋が退化し、花の中には球状の子房があり、その子房に毛のあることになります。もう1つには、自生するヤブツバキ等が突然変異によって花粉袋の葯が退化し、花粉がつくれないという特徴をもつものになります。
侘助と名付けられた理由についても諸説あり、はっきりとした理由はありません。
例えば、もっとも有名な説ですが、豊臣秀吉の時代まで遡ります。秀吉が晩年朝鮮出兵を命じたことはよく知られておりますが、その際、侘助なる人物が持ち帰ったために侘助と名付けられたという説が一つ。
また、千利休の庭園を任されていた庭師の中に侘助がおり、その名前から名付けられたという説等があります。
では、椿と侘助の違いについてですが、まず、見た目から。椿に比べると侘助の花は開花が遅く、花は小さめであり、一重咲き、もしくは猪口咲きのものが多いという特徴があります。
それから、凛とした印象を受ける赤い花が多い椿に比べ、侘助の花はピンク系のものが多く、可愛い女性らしい印象を残します。
まとめ
1000種類以上の品種がある椿。すべての品種を見ることはなかなかに難しいのですが、広島市にある観音寺は通称椿寺と言われ、700種類の椿を愛でることができます。
椿の開花時期は、11月中旬~4月下旬、花の見ごろは、3月初旬~4月初旬にかけてになります。
侘助を愛でたい方は、京都にある金閣寺に出かけましょう。こちらの侘助は、樹齢300年以上の胡蝶佗助になります。後水尾天皇が御手植えしたものだと言い