初夏の訪れを感じさせてくれるムクゲ。ムクゲは様々な色があり、形も一重・半八重・八重など種類が豊富な花木です。鑑賞期間も長く、暑さ・寒さに強いため街路樹や公園の木に利用されていて見かける機会も多いと思います。今回は白色のムクゲの品種についてご説明して行こうと思います。

ムクゲ 白 品種

白いムクゲの品種による特徴について

まず、花びらの長さから「細弁」「中弁」「広弁」の3つに分けられている一重咲きのムクゲです。真っ白な花を咲かせる「大徳寺白」や、中心が赤い「宗旦」「日の丸」などがあります。「大徳寺白」は、花びらが純白、花の直径が12センチほどで、花弁の幅が広いため花弁間の隙間がなく丸い印象の種類です。「日の丸」と「宗旦」は似ていて、「日の丸」が「宗旦」に含まれる事がありますが、この二つにはしっかりと違いがあります。一般的に「日の丸」の方が早く咲き出します。また、最も大きな違いは大きさが違うことです。「日の丸」の方が「宗旦」より大きく「宗旦」の倍くらいの大きさがあります。「宗旦」は茶花として利用されていますが、時々「日の丸」が「宗旦」として間違えて登場してしまっていることもあるようです。非常に間違えられ易く、「宗旦」も「日の丸」と区別をするためになのかしっかりと「原種:宗旦」と名前がつけられている事も実際にあるようです。

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次に外側の花びらは一重咲きとあまり変わらず、内側の花びらがやや発達した形が特徴で「祗園守」「花笠」「バラ咲き」などに区別されている半八重咲のムクゲです。見分け方としては「祇園守」は内弁が30枚以下のものです。この型のものは、もともとは源氏の武士の間で広く栽培されていたもので、茶花や生け花に多く利用されてきました。「花笠」は内弁が30枚以上のもので、「バラ咲き」は面積比で内弁が外弁の4割以上のものになります。花びらのつき方によってはしっかりと種類別に分けられない中間の形をしているものもあります。

最後に、外弁と内弁の見分けがつかなくなってしまっているもので、花びらのつき方・重なり方によって「乱れ咲き」「菊咲き」「鞠咲き」の3つに分けられている八重咲きのムクゲです。花びらのつき方には品種ごとに個性があります。名前の通り、「乱れ咲き」は内弁・外弁が不規則にクシュクシュとした感じで咲きます。花弁の数がやや少ないのも特徴です。「菊咲き」は比較的規則正しく花弁が並び花弁数が45枚以上で高さが少し高めなものです。「鞠咲き」は花弁の数が非常に多く、花弁が短くコンパクトな印象です。

【まとめ】

ムクゲの種類はかなりたくさんあるので全てを説明し尽くすというのはなかなか困難です。興味のある方は花屋さん、植木市などで実際に見聞きしてみるのもオススメです。世界的にもたくさんありますので深く見ていけば一生楽しめてしまうなんてこともあるかもしれませんね。