皆さんは「ケサランパサラン」というものをご存知でしょうか?なんだかちょっとお洒落なような、それでいてちょっと可愛らしい名前ですよね。最近ではテレビ番組でアザミのふわふわとした綿毛を「ケサランパサラン」だと紹介していたこともあったそうですが、実はその正体も多くの謎に包まれており、幾つかの説によって語り継がれているものなのです。

そんな、一度聞いたらちょっと頭の片隅にも住み付いてしまいそうな「ケサランパサラン」について紹介していきます。

ケサランパサラン アザミ 違い

アザミはケサランパサランの仲間?違いについて

そもそも「ケサランパサラン」とは、江戸時代以降の民間伝承上の謎の生物とされていて、外見はタンポポの綿毛やうさぎの尻尾のようなフワフワとした白い毛玉だと言われています。白い毛玉のような姿で空中をふらふらと跳び、ひとつひとつが妖力をもった妖怪だとも言われているようです。

外見的特徴が似ていることから、他国で語られる現象・生物のゴッサマー(西洋版。綴りはGossmer)やエンゼルヘアと同一視されることもあります。実はこれらふたつの正体も謎であり、UMA(未確認動物)やクモなどの幼体が糸を使って飛ぶ様子(バルーニングとも)だという説、1950年代から世界各地で報告がある空から降って来る白い繊維質の物体、など、どれもいささかオカルティックなもののようです。持っていると幸せになれるという都市伝説もあるのだとか。

そんなケサランパサランの名前の由来も、これまた様々あります。スペイン語の「ケセラセラ(なるようになる)」が語源だという説、梵語の「袈裟羅・婆裟羅(サンスクリット語で袈裟は「色の濁った」「汚れた」の意。婆裟羅は伐折羅の転語、金剛石の意)」が語源だという説、羽毛のようにぱさぱさしているからという説、「何が何だかさっぱりわからない」を意味する東北の言葉だという説、など…ここまでくると「ケサランパサラン」の存在自体、何が何だか分からなくなりそうですね。

都市伝説的なところを挙げると、穴の開いた桐の箱の中でおしろいを与えることで飼育できる、増殖することが出来る、前述したように持ち主に幸せを運んでくる、とも言われています。穴がないと窒息して死んでしまう、餌になるおしろいは無香料無着色のものが好ましい、などという生き物らしいところから、1年に2回以上見てしまうと持ち主を幸せにする力が薄れてしまう、ケサランパサランを持っていることを知らせないほうがいいと言われているため、代々密かに受け継いでいる家があるなど、いかにも伝説っぽい言い伝えもあります。

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近年で言うと、1970年代に流行った「ケサランパサラン」とされるものは、ほとんどが花の冠毛から出来た物でした。だからか、ケサランパサランには動物性、植物性、鉱物性のものなど説も様々。

動物性のものに関しては前述のほかにワシなどの猛禽類が小動物を捕食した際に排泄される毛玉であるとか、家畜などの身体にできる胆石や結石だという説、鉱物性のものはオーケナイトという鉱石だという説もあります。

植物性にあげられるケサランパサランには綿状のカビやアザミ、ガガイモの冠毛や種子などが該当します。冒頭の「アザミの綿毛がケサランパサランである」という紹介はここから来ていると思われます。

【まとめ】

謎の多いケサランパサラン。その正体は意外と古い存在で長く人々の間で語り継がれてきました。昔の人から見たら、アザミのあの綿毛はとても不思議なものに見えたのかもしれません。いわゆるケサランパサランの正体がアザミかもしれないし、そうじゃないかもしれません。ただの植物の種子が幸せのお守りだったりしたのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。民話伝承というものは奥が深いですし興味を惹かれます。