日本にはもともと野生種の野菊は自生していましたが、観賞用の菊は中国から伝わったといわれ、その際に『キク』の名称も知られることになったということです。キクの中国語での読み方は日本語の発音に近いのでしょうか?

また中国では菊には何か特別な意味があるのでしょうか?

菊の中国語での読み方は!?

菊 中国語 読み方

菊は中国語でも同じ漢字を書くそうです。読み方は現在の中国語では『ju』(チウ)(ヂウ)のような感じで、日本語とはかなり違う発音になります。

ただし中国語の発音については地域や時代によって異なったり変化しており、比較的古い発音が残る広東語や韓国語では『kuk』(クク)と発音するそうで、これが日本では『キク』となったのではないかという説があります。

日本語で菊(きく)は音読みとされているのは、中国からきた読み方しかないためなのですね。

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菊の中国語での意味は!?

中国においては、梅,蘭,竹,菊は気品ある美しさから草木の中で『四君子』とよばれてきたという歴史があるそうです。

梅は『高潔』、蘭は『清逸』、竹は『節操』、そして菊は『淡白』が当てはめられています。これは中国の東晋末から南朝宋の代表的な詩人であった陶淵明にちなんでおり、彼は『隠逸詩人』『田園詩人』とよばれ自らの隠遁生活を菊を引用した詩で表現しています。

この詩が広まることで、菊が俗世間から離れた静かな気品を象徴し、同時に富や名声にも無欲な人を比喩するようになったことから『淡白』の意味を当てはめるようになったと考えられます。

まとめ

菊については日本を象徴する花であるイメージを持つ人も多いですが、実は中国からきた外来種なのですね。

もともと日本にはない花ということで名前の読み方も存在しておらず、伝来当時の中国語の発音が日本語のキクという読み方になったと考えられています。

中国においても菊は特別な意味合いを持ち、世間から隠れた静けさや無欲さを象徴する花として『淡白』という意味を持つとされています。

私たちが先祖供養や新年などに菊を用いるのも、そのような意味合いを取り入れているからなのかもしれませんね。