菊の花はお彼岸や正月など日本の伝統的な行事には欠かせない花ですが、今は年間を通して比較的手軽に購入できますよね。菊としての生産量でいうと愛知県が多いのですが、小菊に限定すると沖縄が全国1位のシェアを持つようです。沖縄で菊を栽培する利点としては、温暖な気候を生かして年中安定して出荷が見込めることなどがあげられるでしょう。ここでは、沖縄における菊の栽培についてご紹介します。

沖縄が菊の生産量1位なのはなぜ!?

沖縄 菊 なぜ

沖縄で菊の本格的な栽培が始まったのは1974年頃だといわれます。菊の需要としては春や秋のお彼岸や新年が一番多いということなのですが、沖縄では一年を通して温暖な気候を生かした上で、それらの時期を中心に効率よく栽培をする特別な工夫がなされているようです。

菊の花は、日照時間が短くなると花が咲くという性質を持っていますので、通常の開花時期は秋ということになりますよね。その開花時期を調整して需要の多い時期に多くの小菊を出荷できるよう、電照栽培という方法を取り入れているのです。

電照菊という呼ばれ方をするのですが、昼間の太陽が出ている時間の短い12~3月の間、夜間(23時~4時頃)に光を当てることにより、新年やお彼岸に合わせて多くの菊を開花させることができるわけですね。

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3月のお彼岸期の販売量については、実に95%が沖縄からの出荷となっているということです。また、夜間に菊畑が照明に照らされる風景は沖縄の冬の風物詩にもなっており、観光客にも人気のある風景となっているそうです。

現在の課題としては、比較的出荷の端境期になる6~9月の出荷の安定といえるでしょう。5~6月の病害虫リスクや夏場の台風への対策を含め、沖縄では菊栽培で安定した収入が見込める取り組みが行われているのですね。

まとめ

沖縄では、冬でも暖かい気候と電照栽培を中心にした栽培方法の工夫により、小菊の切り花に関しては全国一の生産量を誇ります。

特にお彼岸や正月には需要の増える菊を安定的に栽培できる強みは、沖縄の経済発展にも貢献できそうですね。電照栽培の名物でもある冬場のイルミネーションのような風景も見てみたいものです。