ユリは切り花にしても十分楽しめます。まだつぼみの状態のユリを花瓶にさしておくと、ゆっくりと花が開いて行く様子を楽しむことができます。
ただしユリは好みが分かれる花です。清楚さと豪華な雰囲気が同居するユリの姿が大好きな人も多いのですが、特にシンプルな白いユリの場合、弔事を連想してしまう人もいるようです。
ここではそんな悲しいイメージとは無縁の華やかさがあって、切り花として部屋を美しく飾ることができる品種を紹介します。もちろんそのようなユリなら、花束にして誰かに贈るのもすてきです。
切り花に向くユリの種類
切り花として特に魅力的なのは、1輪でも十分にボリュームがあるカサブランカでしょう。カサブランカは純白で大きな花が開花するゆりの品種で、良い香りを周囲に漂わせます。カサブランカをいくつか束ねて花束を作ると、とても華やかです。
カサブランカは純白ですが、カサブランカと同じオリエンタル・ハイブリッド系のユリの中には、ピンクや赤などの色がついているものもあります。このようなカラフルなユリを切り花に使うと同じように華やかで、よりカラフルな花束を作ることができます。
八重咲きのユリを切り花にすると
普通のユリの花びらは6枚です。しかしアジアテック・ハイブリッドやオリエンタル・ハイブリッドといった、園芸用や観賞用に改良された種類の中には、花びらが12枚、18枚あるいは24枚もある八重咲きの品種があります。
八重咲きのユリはとても華やかで、花束やアレンジメントに加えるだけで強い印象を与えます。もちろん八重咲きのユリだけで花束を作ると、とても豪華なものができあがります。
八重咲きのユリには、切り花としての大きな利点もあります。この種のユリにはおしべが付いていません。そのためユリの切り花でいつも悩まされる、衣服にこびりついたり周囲を汚してしまいやすい花粉が、発生しないのです。
まとめ
ユリの切り花の代表例として、純白のボリュームのある花をつけるカサブランカと、花びらの枚数が多くて華やかな印象を与える八重咲きの品種を紹介しました。
ただしユリの花に常に豪華な雰囲気を求める人ばかりではないでしょう。そんな場合は、色合いが豊富で比較的素朴な形のスカシユリの系統を、さりげなく部屋のコーナーなどに飾ってみるのも良いかもしれません。