ユリは種から育てることも可能ですが、大半は球根から育てます。10月から11月ごろ、球根を、その高さひとつ分からふたつ分くらいの深さに埋めて土をかぶせます。モザイク病などウイルス性の病気にかかりやすかったり、アブラムシの害に弱かったりするので、適切な管理も必要です。

初夏にはユリが美しい花を咲かせます。花が咲いたらそのままで楽しむだけでなく、切り花にして部屋を飾ったり、花束にして誰かに贈りたくなるかもしれません。

 

ユリを切り花にする際の育て方

ユリ 切り花 育て方 コツ

ユリの株にいくつかのつぼみがついてゆっくりと開き始めたら、いつでも切り花にすることできます。

早めにつぼみを切り取ってしまうのも、地中に残る球根のためにはむしろ良いことですから、遠慮なくばっさりと切って下さい。切る場所は、茎の上から3分の1から半分くらいのところです。茎を切る時は、できるだけ切れ味の良いハサミを使うようにして下さい。

花をすべて切り終わった後も茎や葉は光合成を続け、養分を球根に蓄える役割を果たし続けます。そのため花を切り終わった後の茎や葉は、そのままにしておく必要があります。花がなくなったらすべてが終わったと思い込んで、株ごと引き抜いてしまうのは間違いです。定期的な水やりも続けましょう。

上手に管理を続けて地中の球根を肥らせるようにすると、翌年には再びユリの花を咲かせることができます。

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ユリの切り花を長持ちさせるコツ

ユリの切り花の手入れは他の切り花と基本的には同じで、最初に水切りをしておいたり、下葉をあらかじめ取り除いておいたり、こまめに水換えするといったものです。切り花延命剤を使うのも、ユリの切り花を長持ちさせるために有効です。

ユリの切り花を入れた花瓶を涼しい場所に置いて、切り花が高温で蒸れないようにすることも大切です。蒸し暑い場所に置いておくと、水がぬるくなってバクテリアなどが繁殖し、茎や切り口も痛みやすくなります。

ユリを切り花として楽しむ場合には、まだつぼみの状態のものを選ぶようにしましょう。

既に完全に開いたユリの花は、後はしおれてしまう一方なのでそれほど長持ちしません。

ユリの切り花を長持ちさせる独特のテクニックとして、おしべの先の花粉が詰まった部分を、開花直後に取り去っておくというものもあります。この部分を葯(やく)といいます。葯が残っていると、ユリは切り花になっても受粉をして次の世代を生み出そうとするので、消耗が早くなります。

しかも葯を取っておくと、ユリの花粉が周囲や人間の衣服を汚すといった心配をする必要がなくなります。

 

まとめ

ユリは普通球根から育てます。そして丹精を込めて育てたユリの株が大きくなってつぼみをつけるようになったら、切り花にして楽しむことが可能です。つぼみを切り取って残った株も適切な管理を続けることで、翌年も再び花を楽しむことができます。