ユリの花というと、反射的に白を連想してしまいますが、実際には黄色やオレンジやピンクなど、さまざまな色のものがあります。
中には真っ赤な花を咲かせる印象的なユリも存在します。ここでは赤い花色のユリの代表的な品種を紹介すると共に、さらに幅広く、オレンジ色やピンクなど赤系統の花を咲かせるユリの品種も簡単に取り上げることにします。
赤いユリの品種
赤いユリの代表例として、ブラックアウトという品種をあげることができます。日本にも昔から自生しているスカシユリを改良した園芸種で、アジアティック・ハイブリッドと呼ばれる系統の品種のひとつです。6月ごろに少し暗い赤色の花を上向きに咲かせるユリで、その鮮烈な色はなかなか魅力的です。
赤いカサブランカ(レッド・カサブランカ)と呼ばれるユリも存在します。本当はカサブランカの一種ではなく、「マンボ」という別の品種です。
ただしカサブランカとマンボは共にオリエンタル・ハイブリッドという園芸種に属しており、親戚同士といえるかもしれません。
マンボはカサブランカと同じように大きな花を咲かせる芳香の強い品種で、大きく濃い赤色の花が印象に残ります。
真っ赤だけではなく、赤系統(ピンクや朱色や濃いオレンジ色)の花を咲かせるユリの品種も赤いユリの一部として取り上げるのなら、その幅はさらに広がります。園芸種の場合、赤系統のユリのバラエティも豊富です。
原種であるオニユリ・コオニユリなども赤系統(オレンジ色)の花を咲かせます。原種のスカシユリの花もオレンジ色です。ただし改良種のスカシユリの花の色はバラエティに富んでいるので、もっと純粋な赤に近い色の花をつけるものも、見つけることができるかもしれません。
日本の山野に自生しているノヒメユリ・ヒメユリ・クルマユリ・オトメユリなども、ピンクやオレンジ色といった赤系統の花をつけます。中には絶滅危惧種に指定されている貴重なユリもあります。
まとめ
赤いユリあるいは赤系統のユリとして取り上げることのできる品種は以上のとおりです。
海外でしか見ることのできない品種も含めたら、さらにたくさんの赤いユリが見つかるかもしれません。
ユリは白いものと、ついつい思い込んでしまいがちですが、真っ赤なユリの花もとても素敵です。赤い花の咲くユリを手に入れることができたなら、切り花のポイントや庭の貴重なアクセントとして、大切に利用したいものです。