ユリというと筒型のテッポウユリを思い出してしまいま。しかし実際は品種の違いによって、もっとバラエティに富んだ花を咲かせます。
ここではそんなユリの花の共通点と相違点を説明し、さらに例外的な八重咲きの品種も紹介することにします。
ゆりの花 の特徴
ユリの花には6枚の花びら(ただし実際は、3枚の花びらと3枚のがく)がついています。花の形にはいくつかのパターンがあって、上に向かってカップ状に開いたり、筒型のものが横を向いて咲いたり、下向きに開いて花びらをくるりと巻き上げていたりします。
ユリの花は中心から1本のめしべと6本のおしべを伸ばします。おしべは長い花糸の先に、花粉を作り出す葯(やく)がぶらりとくっついた形をしています。ユリの花粉は黄色や赤褐色で油を多く含んでおり、衣服に付着するとなかなか落とすことができないので注意が必要です。
切り花にした場合には、つぼみが開いて間もないうちに葯を取り去ってしまうことをすすめます。ゆりにとってもその方が花粉を生産するエネルギーを余計に使わなくてよいので、花の寿命が少しだけ伸びます。
ユリの花の大きさ
ユリの花の大きさはさまざまです。日本で見られる原種ユリだけに注目しても、長さ6cm、直径5~6cm程度のオトメユリから、直径10cm前後のスカシユリ、直径20cm〜25cmのヤマユリ、直径30cmにも達する伊豆諸島特産のサクユリまで、バラエティに富んでいます。
百合の花びらの枚数
ユリの花は6枚の花びらがあるように見えます。しかしこの「花びら」、実は3枚の花びらと3枚のがくから成り立っているのです。より正確には花びらのことを内花被(ないかひ)、がくのことを外花被(がいかひ)と呼びます。がくは花びらを支える役割を果たすもので、通常地味で目立たない形をしています。しかしユリの場合は、3枚の花びらと3枚のがくが共に似た姿に進化したのです。
品種改良した園芸種には、花びらの枚数がもっと多い八重咲きのユリも存在します。
八重咲きユリはユリのおしべ(あるいはおしべとめしべ)が花びらに変化したものだといわれています。そのせいか、八重咲きユリは花粉を生産することはありません。
まとめ
ユリの花にはさまざまなパターンがありますが、6枚の花びら(あるいは3枚の花びらと3枚のがく)、そして1本のおしべとそれを取り囲む6本のめしべから成り立っていることが共通しています。
しかし最近は品種改良によって、花びらの枚数がもっと多く、おしべがない八重咲きの品種も、手に入れることも可能です。