椿は花びらが散らず、花ごと落ちる花として有名ですね。花ごと落ちるので縁起が悪いとか言われますが、それは武士の時代に首が飛ぶという悪い想像と関連付けられて付けられた言いがかりです、椿はそもそも古くから皇室や公家に愛された高貴な花です。茶道でも重宝される花です。また水に花ごと浮く様は幻想的でもあります。
では何故椿は花ごと落ちるのでしょうか?調べて行きたいと思います。
椿の花が落ちる理由
椿の花が花ごと落ちる理由は生存競争の上に椿が起こした戦略です。多くの植物は受粉を行うのに昆虫を利用します。ですから昆虫の多い時期の春から夏にかけて花を多く咲かせます。しかし椿は寒い時期に花を咲かせますそれは受粉のために選んだ者が昆虫では無く鳥を選択したからです。
昆虫よりも鳥のほうが花粉をより遠くに運んでくれるため椿は鳥を選択しました。また鳥は赤い花が遠くからでもよく見えるので椿の花は赤い種類が多いと言われています。
椿の筒状になった雄蕊の奥には蜜がありその蜜を花の横から鳥に突っつかれては、蜜は吸われ交配が出来なくなるため、その対策として椿の花の横、鱗辺、がく、を厚くし、雄蕊も固めて花弁と一体として鳥に突かれないように防御したため花弁と雄蕊は離れずに花のまま落ちることになりました。
枝についている花は殆ど下向きか横向きに咲いており花弁、雄蕊の方が厚く出来ており重いので椿の花はほとんど上向きに落下して行きます。また受粉の対象を鳥にしているため椿の花は匂を出さなくてよく香りがないのです。
椿の花が落ちる時期
椿の花の落ちる時期は品種によって様々ですが長いもので開花から二十日間もの間咲いている花もあるようですが一週間から十日くらいで花は枝から落ちるようです。
まとめ
椿が花ごと落ちるのは生存競争からくる戦略のためでした。受粉の為に虫ではなく鳥を選択したからなのですね。そのために香は必要なくお茶の席でお茶の香を引き立たせるため香のない椿が重宝されるようになりました。
椿は古くから日本で自生している花で学名にもカメリア・ジャポニカと付けられていて日本を代表する花です。花ごと落ちるからと言って忌み嫌うのではなく、そもそも、もう武士の時代ではないのですから、椿は日本を代表する花と言って良いでしょう。しかし、お見舞いに持って行くのは控えた方が良さそうです。