アメリカンブルーにも剪定は必要です。アメリカンブルーの剪定は「摘心」や「切り落とし」のことを意味しています。
アメリカンブルーの剪定
このうち摘心は、枝の先端の新芽(頂芽)を取り除く剪定作業の一種です。「ピンチ」あるいは「芯抜き」ともいいます。
アメリカンブルーなどの植物では、茎の先端の部分が一気に伸びて、株元が淋しい状態になることもしばしばです。このことを「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」と呼びます。
頂芽優勢 にならないために行うのが摘心です。摘心は、人の手で頂芽を摘み取って脇芽がたくさん出るように調整する作業です。
摘心により脇芽が増えて、花がたくさん咲くようになったり、株が横に広がって格好の良い姿になったりします。
定植したアメリカンブルーの苗が成長して、葉の枚数が7枚から8枚くらいになったころに、最初の摘心を行います。後は苗の成長に応じて、必要だと感じた箇所をマイペースで摘心します。株全体を一度にまとめて摘心してしまう必要はありません。様子を見ながら行えばよいのです。
もうの方の切り戻しも、やはり剪定の一種です。切り戻しは伸びすぎた茎や枝を大胆にカットすることです。
剪定と切り落としの区別は実はあいまいで、特に園芸の世界では、「剪定」のこともまとめてすべて「切り落とし」と表現するようです。「切り落とし剪定」ということばも時には使われます。
成長するにつれ、植物の姿が乱れてくることはよくあることです。特にアメリカンブルーは、枝が地面を這うように四方八方へ伸びていくので、放っておくと株がボサボサで花もあまり咲かない、といった状態になってしまういます。またアメリカンブルーの場合、花芽が付くのは枝の先に限られるので、脇芽が十分に出てくれないと「いつまでたっても花が咲かない」と、悩むことになったりします。
切り戻しをしないでアメリカンブルーの株を放置していると、数本の枝が突び出して株の形が乱れたり、内部の枝の密集状態のおかげで株が蒸れてしまってアメリカンブルーの元気がなくなったり、といった問題も発生します。
大切なアメリカンブルーの株がそのような状態にならないため行うのが切り戻しです。不自然に飛び出た枝や、内部でからみ合う古い枝を短く切ることで、株の形を良くしたり、風通しを良くして株が健康に成長できるようにするのです。
切り戻しは、切り口の付近から新しい脇芽を出して枝の数を増やすという働きもします。この点は摘心とよく似ています。
切り戻しは必要だと感じる時点で行ってもよいのですが、一度行うと株が回復するまでに時間がかかります。
アメリカンブルーの場合、花のシーズンが終わった晩秋に切り戻しを行うのが一般的です。切り戻しは、冬越しに備えて株の負担を軽くする役目も兼ねています。
寒さが苦手なアメリカンブルーは、鉢上げして室内の日当たりの良い場所で管理しながら冬越しをさせます。
もし切り戻しを行わずにアメリカンブルーの株に冬越しをさせたのなら、春先に1/2か1/3くらいの大きさまで切り戻して、再生のための刺激を与えるようにしましょう。
【まとめ】
アメリカンブルーの剪定には摘心と切り戻しのふたつの方法があります。
摘心の方は、必要に応じて頂芽を摘み取るという比較的手軽な方法です。切り戻しの方は、不必要な枝を思い切ってカットしてしまうというもので、一般に考えられている剪定のイメージに近いものです。
摘心も切り戻しも、アメリカンブルーにたくさんの脇芽をつけて、より多くの花を咲かせる効果があります。
切り戻しにはそれに加えて、株の形を整えたり、冬越しした株に再生のための刺激を与える効果もあります。