日本はご存じの通り四方を海で囲まれた島国です。徳川幕府が200年も平和に政権を握っていることが出来たのも、外国の脅威にさらされにくかったからに他なりません。その頃は江戸幕府だけではなく、日本独自の植物や生き物も同じように平和に生きていたことでしょう。

しかし、ペリー来航とともにその平和は、人も、生き物も、植物でさえも打ち砕かれる事になります。平和を奪われた植物の中には、カタバミもいました。小さくて可愛らしい黄色い花を咲かせていたカタバミは、ピンクの花をもつカタバミとの共存をしいられてしまいました。

いったいこのピンク色のカタバミはどのような種類なのでしょうか。詳しくご説明いたします。

カタバミのピンクの花

カタバミ 花 ピンク

ピンクの花をもつカタバミ科カタバミ属のカタバミは、大きく分けると五種類あります。一つ目は、江戸時代の末期に観賞用に日本にやってきた、南アメリカが原産のムラサキカタバミと言う外来種です。関東以西に急速に広がり雑草化して、根付いてしまいました。

もともと日本になかったものを人の手で運ばれてきて、それが日本に繁殖してしまったものを総じて、帰化種と呼びますが、まざにムラサキカタバミもそれです。

外見が黄色のカタバミ同様に可愛らしい為、ちょっとだけそのままにしておこう、というあまい気持ちが大繁殖を許してしまった原因とされています。

ムラサキカタバミの特徴は、黄色い花をつけるカタバミと同じく、昼に花を咲かせ、夜は花を閉じます。しかし雨の日は昼でも花は閉じています。

葉はハート型していて、その形も好まれる理由となっていて、どんどん繁殖してしまいました。繁殖方法も同じく、ロケットのような実から種を発射させて繁殖していきます。

基本的に放任していても勝手に育ちます。次に同じくピンクの花を咲かす2つ目の花は、イモカタバミとよばれる種類です。

この花は第二次世界大戦後に、同じく南アメリカから観賞用として日本に運ばれてきました。ムラサキカタバミと似ていますが、おしべのやくの色が、ムラサキカタバミが白なのに対し、イモカタバミは黄色です。

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花の形もムラサキカタバミの方が少し細長いので見分けるのはわりと簡単です。3つ目の花は、同じく南米からの帰化種のベニカタバミです。

ベニカタバミは大正時代に日本に持ち込まれました。丸みを帯びた花の形と、まるい大きな葉が特徴的で、イモカタバミの葉の倍くらいの大きさをしています。

4つ目の花は、ハナカタバミです。これも江戸時代に南米から観賞用に持ち込まれました。学名のオキザリス・ボーウィーという名前で知られています。

花はとても濃いピンク色で丸みを帯びています。最後の5つ目はフヨウカタバミです。明治時代み南米から持ち込まれました。花の色は白もありますが、薄いピンクのものもあります。

5つの中では一番うすい色のピンクと言えます。

まとめ

ピンクのカタバミ科カタバミ属のカタバミは、すべて南アメリカから観賞用に輸入されたものが野生化したものです。それぞれ時代は多少違いますが、ほとんど手をかけずに繁殖をしていくカタバミは、育てやすく初心者には最適です。