カタバミは世界中に分布していますが、日本では、雑草ではありながら、家紋のデザインによく使われます。その理由はなんと言っても、カタバミの繁殖力の強さと、強靱な生命力が「子孫繁栄」に通じるとされたからです。古くは平安・鎌倉時代までさかのぼり、約60ものデザインがあり、日本十大紋の一つとされています。

有名なのは戦国大名の長宋我部氏が用いていましたし、高等小学校卒の総理大臣、田中角栄氏の家紋であることでも有名です。そのデザインはまさにカタバミの特徴をよくとらえたものが多く、ハートの形の3枚葉が描かれています。

そんな人気の高いカタバミの葉の色や細かい特徴は、あまり知られていません。詳しくご説明いたします。

カタバミの葉の色

カタバミ 葉 特徴

私たちが道端でよく目にするカタバミは、葉の色は緑色をしています。しかし、同じカタバミ科カタバミ属の仲間で、アカカタバミという種類のカタバミは、葉の色は赤紫色をしています。

カタバミとアカカタバミの中間のタイプもいます。それがウスアカカタバミで、ちょうど中間の葉の色をしています。

人気の高い観賞用のオキザリス・トライアングラリス(インカノカタバミ)は、紫色の葉をしていて、「紫の舞」といわれています。

カタバミの葉の特徴

大きな特徴は、名前の由来にもなった夜に片方かまれたように葉をとじてしまう事でしょう。カタバミの別名「スズメノハカマ」は夜になると葉を小さくたたむ姿から名付けられたと言われています。

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小葉の緑に毛がありますが、表面は無毛、裏面には毛が生えています。葉にはシュウ酸を含む為、羊が食べると腎臓障害を起こすという報告もありますので、食用にはあまり向きません。その代わり、カタバミの葉で十円玉を磨くと、酸によりぴかぴかになります。

これを利用し、その昔、教会の鏡や装飾品をカタバミでと言われています。それが、花言葉の「輝く心」につながっていったのかもしれません。

まとめ

日本のカタバミの地方名はたくさんあります。「かがみぐさ」「すいば」「しょっぱぐさ」等ですが、すべてシュウ酸が関係した名前が多いようです。

葉は昔、消炎や、解毒にも薬として使用されたこともあります。昔は、かわいいハート型の葉を持つカタバミは、磨き掃除に使われたり、薬に使われたりと大忙しだったのです。