カタバミの日本の現在の状況は、ちょうど今の日本の相撲界に似ています。日本の相撲業界はここ数十年で激変し、気がつくと番付の上位は、モンゴルやロシアや、外国人がしめています。それと同じ事がカタバミにも起きています。
カタバミは戦国時代よりも前から、家紋になるほど日本人になじみの深いものでしたが、戦後、外国からのより見栄えのする種のカタバミが持ち込まれ、それが野生化し、気がつけば、人気のカタバミ上位を独占しているのは、日本古来のカタバミではなく、帰化種と呼ばれる元々は外国生まれで日本育ちのカタバミになってしまっています。
その中で、頑張っているのが、アカカタバミです。いったいアカカタバミとは何者なのでしょう。カタバミとの違いも含めてご説明いたします。
アカカタバミとカタバミの違い
アカカタバミはカタバミの変種です。変種とは、原種が変化して生まれたものです。他の植物でいえば、アブラナ科のラパという植物から変化した変種は、アブラナ、カブ、チンゲンサイなど、スーパーでよく見る野菜に姿を変えています。
それと同じように、カタバミの変種品種は、ケタカタバミ、ウスアカカタバミ、ホシザキカタバミ、そして、アカカタバミの4種なのです。
この日本生まれの兄弟たちは、外国生まれの帰化種に対抗すべく一生懸命に生きています。その中で、近年よく見るようになったものがアカカタバミです。
本家のカタバミに紛れて、生えているのをよく見かけます。特徴は、葉の三小葉の色が、カタバミのような緑色ではなく、赤紫色をしています。
8mm程度の大きさの花の色は黄色ですが、花の中心部が赤くなっています。葉の大きさは5mm程で、カタバミよりも少し小さめです。カタバミとアカカタバミは葉の色を見れば一目瞭然です。
ちなみに、この葉の赤紫色が薄いのがウスアカカタバミで、緑色の部分が多いのが特徴です。こちらの方が間違えやすいかもしれません。
その他、ケタカタバミは海岸に多く生息し、葉にも茎にも毛が多いのが特徴で、花びらが十枚ほどの黄色い花を星形に咲かせるのが、ホシザキカタバミです。みな日本生まれのカタバミとして頑張っています。
まとめ
カタバミは緑の葉で黄色い花を咲かせます。アカカタバミは、赤紫の葉で中心部分が赤い黄色い花を咲かせます。少し注意して周りを見渡すと、おもしろいものですので、公園などに行ったら観察してみてください。カタバミの世界も相撲界も、外国勢に負けずに頑張ってほしいものです。