菜園もガーデニングも、植物を育てていると切っても切れないのが虫との関係です。その中でも、植物の生育に悪影響を及ぼす虫を害虫といいます。植物によって発生する害虫は様々です。

今回は菊に発生する害虫のひとつであるキクスイカミキリについて、その生態と対策法を見ていきましょう。

菊の害虫であるキクスイカミキリの生態と予防・対策

菊 害虫 キクスイカミキリ

キクスイカミキリとは日本各地に生息するカミキリムシの仲間で、4月から7月の短い期間に発生します。体長は6ミリから9ミリと小さく、黒色で細長い体型をしています。

腹部は褐色で、背中に赤い点のような模様が入っているのが特徴です。ヨモギや菊などキク科の植物を好み、普段は葉の上で休んでいます。

キクスイカミキリは茎の先端から10センチほどの高さを円周状に二段噛み、その間に産卵します。茎を噛まれてしまうとその中の維管束も噛み切られてしまうため、土から吸収した水分が届かずに先端がしおれてしまいます。

生まれた幼虫は茎の中身を根元に向かって食べて育っていき、土に覆われた根元近くの茎の中で越冬します。キクスイカミキリに産卵されてしまうと、その菊は花をつけることなく枯れてしまうのです。

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キクスイカミキリによる被害を予防するには、防虫ネットなどで覆って成虫を菊につかせないようにしましょう。鉢植えで育てているならば、室内で育てるとほぼ完全に被害を防ぐことができます。

また、菊の古株には既に幼虫が潜んでいる可能性があるので処分しましょう。菊の周辺に生えているヨモギやキク科の雑草を除去してキクスイカミキリの発生源を減らすのも効果的です。

もし、すでに菊の葉にキクスイカミキリの姿があった場合はすぐに成虫を捕獲し処分します。茎に噛み跡がないかも確認し、噛み跡がある場合は既に産卵されてしまっているので噛み跡より下の方から切り取り処分してください。

また、幼虫を駆除するためのカミキリムシ用の農薬も販売されています。

まとめ

キクスイカミキリはどこにでも生息している害虫であり、菊の天敵であることがわかりました。目立つ姿をしているので、小さくとも発見は容易であると思います。

大切に育てている菊を守るためにも、防虫ネットなどの予防策と、常に菊を気に掛けるようにして発見時にはすぐに対処できるよう農薬を用意しておくなどの対策を併用するとより効果的であるといえます。