菊は、平安時代から上流階級の間で観賞用として楽しまれていました。
しかし、安土桃山時代から江戸時代にかけて庶民の間にも普及し、数多くの品種が改良、開発されてきました。
では、菊の花が咲かない場合、どのような原因があるのでしょうか。
菊の花が咲かないのはなぜ?原因は一体なに?
菊は種が発芽するとある一定期間、葉を作ったり茎を太くさせたりして、自身を成長させることに力を注ぎます。
そして葉や茎がある程度の大きさになると、栄養が満たされ、ようやく花になる芽が出てくるのです。
菊を育てるには空気、光、水、温度、養分などが充分でなければなりません。
通気性が良く、水はけも保水力も備えている土が、菊にとって良い土です。通気性の良い土は酸素が行き渡るため、有益な微生物が豊富になり有機物の分解が盛んになります。
水はけが悪いと根が呼吸できなくなり、根腐れを起こす原因になってしまうため、有機質や砂を土に混ぜて水はけを良くしましょう。更に土に堆肥やきゅう肥などの有機質や石灰を加えると、土の保水力が上がります。
葉、茎、花、根全てを上手に育てるには、チッソ、リン酸、カリの3つの肥料が大切になります。
チッソは葉肥(はごえ)といわれ、葉を大きく強く茂らせます。不足すると葉の色が薄くなったり、茎が伸びずに細く低くなってしまいます。
リン酸は見肥(みごえ)といわれ、花や実を促進する作用があります。不足すると花が咲かなくなったり、実が小さくなります。
カリは根肥(ねごえ)といわれ、植物を丈夫にします。不足すると根の生長や葉色が悪くなるだけでなく、抵抗力が弱まるため病気や害虫に侵されやすくなります。
葉ばかり茂って花が咲かない場合、あるいは花が咲いても貧弱だったり、つぼみのうちに落ちてしまったりする場合は、チッソ肥料を多く与えすぎていることが多いです。
葉色は濃くなりますが、花のつきが悪くなります。花を育てるにはリン酸肥料を与えるようにしましょう。
まとめ
肥料を与える期間は、春に新芽が出る頃からつぼみが見える頃までです。つぼみがついたら、肥料を与えるのはやめましょう。
チッソ、リン酸、カリの3つの肥料をバランスよく与えるようにすれば、根も葉もしっかりと育ち、菊は綺麗な花を咲かせてくれることでしょう。