パンジーは、冬から春にかけての庭に欠かすことのできない植物です。毎年秋になると、スーパーやホームセンターの園芸コーナーで、まるで季節の風物詩のように、パンジーの苗を見かけます。
パンジー苗だけではありません。パンジーとよく似たビオラの苗も置いてあるのが普通です。ビオラ苗はパンジー苗と区別することが難しい、でも愛らしい印象の花をつけます。
この両者はどのように区別したらよいでしょうか?そしてパンジーを特徴づける、花の構造のキーポイントは、いったいどんなことなのしょうか?
パンジーの花の構造
パンジーは、スミレ科スミレ属の植物です。パンジーはすみれの仲間の中でも、最も品種改良が進んだ人工的な園芸種ですが、花には野生のすみれにも共通する特徴が、はっきりと残っています。
花びらは上側の2枚(上弁)・側面の2枚(側弁)・下側の1枚(唇弁)の計5枚です。萼(がく、花びらの外側をおおう花全体をささえる部分)もすみれのように5枚の萼片で成り立っていて、中心にはめしべと5本の短いおしべがあります。
パンジーの花には、黄色・白・すみれ色などのさまざまな色があって、とてもカラフルです。グリーン系以外の花色はすべて揃っているといわれています。
単色のものも、複数の色が混さったものもあります。いかにもパンジーらしいデザインとして、中心に「ブロッチ」と呼ばれる独特の模様が入ったものがあります。
パンジーの花の大きさ
パンジーの仲間にビオラがあります。ビオラは直径2cmから4cmの、パンジーより小さい花を咲かせます。花つきがパンジーより良いため、パンジーよりたくさんの花を長い期間楽しむことができます。
これに対してパンジーの花の大きさは、一般に直径5cmから10cmです。
パンジーもビオラも、共にすみれの園芸種です。パンジーの花とビオラの花の構造に違いはありません。このふたつはよく似ていて、花の大きさと花つき具合の微妙な違いぐらいしか、両者を区別する手段はないのです。
しかも近年は品種改良がさらに進み、直径5cm未満の花が咲く小ぶりなパンジーも存在しています。またパンジーとビオラの中間の大きさの花を咲かせるパノラという種類もあり、互いの境目があいまいになりつつあります。
まとめ
すみれの仲間の園芸種にはパンジーの他にビオラやパノラといったものが存在し、大きさが違うが同じ構造の花を咲かせます。
パンジーの花は「直径5cm以上」というのが、他の品種と区別するためのひとつの目安になります。