お葬式に参列すると、祭壇には白い菊の花がきれいに飾られています。今は洋花が多くなってきて菊と決まったわけではありませんが、大方は白い菊が使われています。
なぜ、お葬式には白い菊なのでしょうか。
お葬式に白い菊の花を用いるのはなぜでしょうか。
とてもたくさんの説がありました。元々はヨーロッパの風習であり、それが日本の儀式になったという説。
菊の香りはお香の香りに似ています。式場いっぱいに菊を飾るとお香の香りと相まって厳かな気持ちになります。そういう理由からも菊が使われるという説もあります。
菊は格調高い花です。日本の国花でもあり、天皇家のご紋でもあります。その意味から亡くなった方をおろそかにせず送り出したいという思いから菊が使われています。
元々日本の葬儀には樒が使われていました。菊には無病息災、邪気払いなどの意味があり、葬儀には似合わない花ですが、その香りには神経を落ち着かせる薬効があると言います。
悲しみにくれる遺族の方の心を静める意味からも、菊の役目があるのでしょう。
白い色の菊を用いる訳は?
菊の花の中でも白い色を用います。現在は菊以外の花にしてくださいと言われることも多くなり、葬儀には華やかな色合いの洋花が使われることも珍しくありませんが、白い菊が主流であることは今も変わりません。
白の意味合いから考えますと、昔の葬儀には白が用いられていました。お棺に納められる遺体は白い装束で包まれています。
参列する人も昔は、白い服装で参列していました。黒い服になったのはカトリックの影響です。白は、日本人にとっては次の世界への旅立ちの色なので、遺人を送るには最もふさわしい色ではないか、と思います。
菊の花を葬儀に用いるのは
現実的には菊は栽培がしやすく、大量の花を必要とする葬儀には便利な花です。保存や配送などの技術も日々進歩して、どんな季節や気候であっても不足することはまずありません。
菊以外の花であっても日持ちのいい花を選ぶのは、葬儀は日を超えて行われることが多いからです。
まとめ
あまり考えなかったお葬式と菊の関係を考える機会になりました。白と言う色もこんな意味があったのだと新鮮な思いです。菊はお葬式や仏壇の花ではなく、むしろ菊花展のような華やかであって身近な花なのですね。
あの香りに心を静める薬効があるとは、身近であるがゆえに嬉しくなりますね。