食用菊を召しあがったことはあるでしょうか?最近よく見かけるようになったエディブルフラワーは主にフレンチやイタリアン料理などで用いられますが、食用菊は日本の食文化の中で古い時代から取り入れられてきたそうです。
食用菊は小菊より大きめで黄色や紫色の色合いが食卓のアクセントになりますし、華やかな風味やシャキシャキした食感を生かして酢の物や天ぷらやお吸い物などにしていただくことが多いでしょう。なんと松尾芭蕉の句にも食用菊の酢和えが登場するそうで、すでに江戸時代には食されていたということになりますね。
ここでは食用菊の旬の時期や保存の方法についてご紹介します。
食用菊の旬はいつ!?
現在はハウス栽培などのおかげで食用菊は年間を通して楽しむことができますが、最も流通の多い旬の時期は10月から11月頃にかけてといわれます。
主な産地としては、愛知県や山形県,青森県,秋田県,沖縄県などが挙げられます。その中で愛知県は刺身のつまにする『つま菊』の生産が盛んであるそうです。
食用菊として多く出回っているものには黄色と紫色のものがあり、生産県によって色々な呼び名や種類があるようです。
主なものとしては、青森県と岩手県で栽培される黄色い菊は『阿房宮(あぼうきゅう)』、秋田県の『湯沢菊』、紫色の管弁の菊は『延命楽』で山形県では『もってのほか』や新潟県では『かきのもと』とよばれます。
これらは品種改良により苦みが少なく花びらが大きくなっており、酢の物や和え物、吸い物や天ぷらやちらし寿司などの和食にはもちろんですが、シャキシャキとした食感を生かしてポテトサラダなどに入れるのもオススメなのだとか。
また美味しいだけではなく、ガンの予防や抗酸化作用、食中毒の予防や疲労回復などの効能も期待できるということです。旧暦9月9日の重陽の節句には菊花茶や菊花酒などを楽しむ風習もあるそうです。
食用菊の保存方法について
食用菊は色合いや食感が魅力ですので、それを保った状態で保存したいものですよね。まずは選ぶ段階で、色が鮮やかで新鮮に見えることや花びらが筒状に丸まっているものを探すのがいいでしょう。
生のままで保存する場合は、乾燥を防ぐために袋にいれて冷蔵します。また茹でると冷凍保存も可能で、軽く湯がいた後に余分な水気を切り、ラップに広げて凍らせる方法が一般的です。
色合いを保つために、湯がく際に酢を入れたり色止めのために冷水にとるなどの工夫も大切ですね。
まとめ
秋が旬となる食用菊、色合いや食感がいいアクセントになりますし、健康への効能が期待できる食材でもあるのですね。苦みも少なく香りがいいですので、和洋問わず色々な料理に取り入れて食卓に季節感を演出してみてはいかがでしょうか。