植物を鉢植えにするときは、どのような鉢を使うかを、慎重に考えなければなりません。ユリを植える場合もそうです。

 ユリは地面の温度が上がるのを嫌うので、素焼きの鉢を用いるのがベストでしょう。鉢の側面から蒸発する水分が温度上昇を抑えるからです。手頃なプラスチックの鉢の場合はこのような気化熱を期待することはできませんが、二重鉢にすることで温度の上昇を防ぐことが可能です。 

 考慮しなければならないのは鉢の材質だけではありません。鉢の大きさをそこに植える植物の大きさに見合ったものにすることは、園芸の大原則のひとつです。

 

 ユリを植える場合には、いったい大きさがどの程度で、深さがどの程度の鉢を使ったら適切なのでしょうか?

ユリ 鉢 大きさ 深さ

ユリを植える鉢の大きさ

 一般に植物の球根を鉢に植え付ける場合、球根の直径の3倍くらいの大きさの鉢が必要になります。ユリはしっかりと根を張る植物なので、鉢植えにする場合はさらに大きめの鉢を用いることが望ましいです。

 

 しかもユリの球根のサイズは、品種によって3cmくらいから10cmを超えるものまでバラエティに富んでいます。そのため球根をひとつだけ植える場合でも、小型の品種は5号鉢(直径15cm)、比較的大型の場合には7号鉢(直径21cmと、必要なサイズもさまざまです。

 

ただしユリの場合、理想的には8号鉢(直径24cm)から10号鉢(直径30cmに植えるようにすると良いようです。

 

 球根は成長するし鉢の中の土は劣化するため、鉢植えのユリは毎年植え替えをしてやる必要がありますが、そのときはひと回り大きな鉢に植えるようにしてあげましょう。

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ユリを植える鉢の深さ

 ユリを植える鉢には充分な深さも必要です。ユリの球根には上根も生えるため、最低でも球根の高さの1個分、理想的には23個分くらいの深さに埋めないといけないからです。市販の鉢を使用する場合は、深鉢と呼ばれるタイプを選ぶようにしましょう。

 

 ユリは背が高くなる植物なので、ときとして鉢の安定が悪くなります。重い鉢を選ぶか、鉢底石を多めに入れて安定を良くするなどの工夫が必要です。

【まとめ】

 ユリを植えるための鉢の大きさは、以上の通り、大きめで充分な深さが必要です。

 

本来、ユリは庭に地植えする方がよい植物なのかもしれません。しかし鉢植えにすることで、庭のないマンションのベランダなどでもユリの成長を楽しむことができるし、好きな場所へ自由に持ち運ぶことができるというメリットが生まれます。

 

大きな鉢にあふれるように咲いたユリの花の美しさは、人を感動させます。