ユリといえば白い花を思い出しますが、白以外の花を咲かせる品種も、もちろん存在します。中でも一番気になるのは華やかで鮮やかな色合いのユリでしょう。
ここでは印象的なオレンジ色の花を咲かせるユリの品種を紹介することにします。
オレンジ色の花を咲かせるユリの品種
オレンジ色の花を咲かせるユリの代表的な品種といえば、オニユリとスカシユリの2種類です。オニユリについては後述するので、ここではスカシユリについて述べます。
スカシユリは草丈が20cmから60cmになる多年草で、日本でも昔からに栽培されてきました。市場に出ているスカシユリにはさまざまな色のものがありますが、日本に自生する原種のスカシユリはオレンジ色です。
下向きに花を咲かせる多くのユリと異なり、スカシユリはラッパのような花を上向きに咲かせることに特徴があります。
スカシユリの花びらは互いに重なることがありません。花の付け根の部分が少し開いてすき間ができており、このことが「スカシ」ユリの語源になっています。
オレンジ色のユリのうち斑点のある品種
オレンジ色に加えて斑点が印象的なユリといえば、オニユリです。草丈が1mから2mの大型のユリで、種を作る代わりに、ムカゴと呼ばれる黒っぽい紫色のかたまりを葉の付け根に作ることが特徴です。オニユリはムカゴで増やすこともできます。
オニユリの球根は「百合根」と呼ばれ、料理に使われます。そもそもオニユリは、食用のために中国から日本へ伝えられたといわれています。もっとも現在市場で流通している百合根は、オニユリよりもうひとまわり小さいコオニユリの球根であることがほとんどです。コオニユリもオレンジ色の花を咲かせますが、ムカゴは作りません。
オニユリの花はオレンジ色の地に褐色の斑点が無数にあって、長い茎の先で下向きに咲くのが特徴です。花びらは外側に向かってくるりとそり返っており、日本人には赤鬼を連想させるためか「オニ」ユリと呼ばれています。
しかしその一方、オニユリの花言葉は「愉快」・「陽気」・「華麗」といった明るいイメージの単語です。
オニユリと名付けた日本人の感性と、これらポジティブな花言葉の起源となった西洋の人々との感性の違いが、興味深いところです。
【まとめ】
ユリの花の中でもオレンジ色のものは特に華やかで、フラワー・アレンジメントの中に混ぜてもよく目立ちます。このようなオレンジ色のユリの品種としては、スカシユリやオニユリといったものが代表的です。