日本は四方を海に囲まれた島国です。日本にもともといない生物や植物が何万キロと離れた北アメリカからそう簡単には日本に入り込む事はできません。いったいどのようにして日本に入って来るのでしょう。
カタバミの美しいとされる花、つまり、学名のオキザリスと呼ばれるものは、そのほとんどが人の手によって観賞用として江戸時代以降に持ち込まれました。そして、恐ろしいほどの繁殖力で野生化し、日本の帰化種としての地位を築きました。
しかし、オッタチカタバミはちょっと違います。日本の黄色い花を咲かせる、雑草と言われるカタバミとても似ているオッタチカタバミは、観賞用に持ち込まれるほどではありません。実は望まれて日本に来た訳ではなく、第二次世界大戦後に、駐留アメリカ軍の荷物にくっついて、いわば不法侵入してきたのです。
その花は日本独自のカタバミとよく似ています。見分け方をご紹介いたします。
カタバミとオッタチカタバミの違い
オッタチカタバミはカタバミと同じく、カタバミ科カタバミ属の植物ですが、北アメリカが原産で、1965年に京都で日本で正式に発見されました。
カタバミととても似ている黄色い五弁花をつけ、一見すると見分けがつきませんが、成長の仕方で見分ける事が出来ます。
カタバミが地表を這うように広がっていくのに対し、オッタチカタバミは横にのびた茎から生じた茎が縦に高さ10~50cmに達するまで立ち上がってのびていきます。
それがこのオッタチカタバミの名前の由来です。和名では「おっ立ち片喰」とも明記します。その他、カタバミとの違いは、全体的に白い毛が多く、立ち上がった茎はカタバミよりも太い事があげられます。
カタバミには同じように茎が立ちあがるタチカタバミという種類もありますが、オッタチカタバミの方が、立ち上がった茎の節間が短く、葉が密集していることや、種の大きさがカタバミよりも小さい事で見分けます。
まとめ
とても似ている同じような黄色い花を咲かせるカタバミと、オッタチカタバミですが、横に這うように広がるのがカタバミで、横に広がりながら、上にも延びるのがオッタチカタバミです。
日本に入国してきたのは偶然かも知れません。見知らぬ土地で芽を出した、オッタチカタバミは日本で自分と瓜二つのカタバミを見て、おったまげて(驚いて)立ち上がったのかも知れませんね。