野草と雑草の違いは明確です。人が管理しているところに勝手に生えてくるのが雑草で、人が管理していないところに勝手に生えるのは野草です。人間の都合が100%繁栄された言葉です。もう一つ、人間の行動がもたらした言葉があります。
原種と帰化種です。原種とは言い換えれば、在来種の事で、地域に古くから存在したものです。帰化種とは、本来そこには存在しない外来種が、住みついたものと言えるでしょう。カタバミはその帰化種が非常に多い植物です。
本来はそこにない植物を遠く何千キロもかけて日本に持って来るのは、人間しかいません。その為に在来種は突然のなわばり争いを強いられてしまうのです。黄色い小さなカタバミの花の咲く庭に、同じようなピンクの花を咲かせるカタバミも共存することもあります。
それはイモカタバミかもしれません。この二つの花はいったいどのような関係なのでしょうか。詳しくご説明いたします。
カタバミとイモカタバミの違い
オキザリス・アーティキュラータという園芸用のカタバミの種類があります。この花は、和名をシフネハナカタバミといい、その別名はイモカタバミと言います。
つまり、イモカタバミはシフネハナカタバミの亜種であり、園芸用としてはまとめてイモカタバミと呼ばれているのです。
花の色はピンクや白。暑さ、寒さにも強く、もりあがって背丈が30cm程になるのでグランドカバーとしても人気があります。
芋状の地下茎が出来ることから名付けられました。このイモカタバミは日本生まれではありません。
原産は南アメリカ、第二次世界大戦後に観賞用として持ち込まれたが、国内に広く広まり帰化種となりました。
オキザリスと言われる花のきれいな、園芸用のカタバミの多くは外国から持ち込まれたのが、自然に野生化してしまったものがほとんどです。
一方、一般的にカタバミと呼ばれ、黄色の花をつける花は、すずめぐさや、しょっぱぐさ等のたくさんの日本の地方名を持つほど、もともと日本に存在していた種です。
その繁殖力と生命力は、雑草でありながら家紋にまで採用されるなど、イモカタバミが日本にやって来る前から存在した在来種なのです。
まとめ
イモカタバミとカタバミは、花の色も違えば、生まれた場所も違います。しかし、現在では同じ場所に雑草として共存する事もあります。
イモカタバミはピンクの花がまとまって咲くのでとてもきれいです。そのきれいさが、もうちょっとそのままにしておこう、とつい思ってしまう、日本人の小さいものをかわいがる国民性なのかもしれません。それが野生化を拡散させてしまう理由なでしょう。