夕方に花を咲かせるオシロイバナ。
オシロイバナの根には、毒があるのでしょうか。
【オシロイバナの根には毒がある?】
根には、毒があります。多くの植物に含まれている、「トリゴネリン」という窒素化合物です。
トリゴネリンは、熱によって分解され、ニコチン酸に変化します。
ニコチンと聞くと、体に害がありそうですが、ニコチン酸はビタミンB3ともいう、栄養素の一つです。
別名、「ナイアシン」と呼ばれ、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に不可欠です。
脳神経を活性化させる働きがあり、認知症の予防改善にもなります。
コーヒーの生豆にも含まれていて、最近はトリゴネリン入りのコーヒーもあります。
少量なら問題ありませんが、多量に摂取すると、毒性があります。
オシロイバナには、多く含まれているため間違えて食べてしまうと、腹痛・嘔吐・激しい下痢を引き起こします。
オシロイバナの根は、サツマイモのように大きく太くなり、暖かい地方では、冬に花や葉っぱが枯れても根は生き残り、次の年になると根から芽を出します。
ゴボウのように、真っ直ぐに伸びていくので、植え替えは嫌います。
アンデス山脈地方ではこのイモを食べられる種類もあるそうです。
秋になり、種が地面に転がって、そこからまた芽を出すので、繁殖力は非常に強いです。
根は根で、大きくなるので、放っておくと生い茂るようになります。
なので、花が咲き終わったら、抜いておくといいかもしれません。
また、生薬としても、使われることがあります。生薬名は「紫茉莉(しまつり)」といいます。
根を刻んで、煎じて飲むと、利尿や関節炎に効果があります。
また、根の粉末をそばかすに塗る薬としても使われます。
【まとめ】
オシロイバナの根には、種と同様に毒が多く含まれています。
毒の成分は「トリゴネリン」という窒素化合物です。
間違えて食べてしまうと、腹痛・嘔吐・激しい下痢を引き起こします。
一方で、生薬に利用されることもあり、利尿や関節炎に効果があります。
生薬名の「紫茉莉」は、俳句の季語にもなっていて、秋を表わす季語として使われます。
オシロイバナは小さくて可愛い花を咲かせますが、毒があるので気をつけましょう。