まず知っていただきたいことがあります。植物の毒性成分のはたらきは様々なのです。その植物に人や動物が触れたり、摂食したりした場合、毒性の強いのものでは中毒症状、嘔吐、痙攣、炎症などの症状を起こします。それが時には亡くなってしまう場合もあります。弱いものでは苦味や酸味を感じるなどの軽度のものもあることも理解しておきましょう。
ユリの花の毒とは
ユリのすべての部分がユリ自身、身を守るために「化学防御」という毒物をつくりあげました。
普段は鑑賞に、お祝い用にユリの花は私たちの生活に溶け込んでいます。 野山に足を運ぶと野生のユリが咲き誇り、何とも言えない芳醇な香りを放つユリも見受けられます。しかしユリ科の植物は、重度・軽度を問わず、毒性があることを忘れてはなりません。
ユリの毒の成分について
■ユリの毒物、アルカロイドの中毒とは?
厚生労働省の研究チームは、アルカロイドのコルヒチン colchicine の中毒について下記の症状が出ることを立証しています。
中毒症状
・口腔・咽頭灼熱感、
・発熱、
・嘔吐、
・下痢、
・背部疼痛などの発症
・臓器の機能不全
・致死量は 0.8mg/kgで絶命
発病時期
・摂取後、数時間以降に 発症。
■ユリの球根には毒があるのか?
「百合根」として食用に販売されているものは、人間には害はありません。 しかし、万が一ということもありますのでペット、特に猫には有害であるということもあり、与えない方がよいでしょう。
オニユリ、ヤマユリ、カノコユリ。コオニユリは食用とされていますが、他の品種の球根は、非常に苦く、アクが強いので食べられる品物ではありません。また、上記品種でも、薬剤を使って球根腐敗病を防いでいる園芸用の物は食べてはいけません。農薬などの薬剤を使っている可能性がある食用以外のものも同じことが言えます。
食用として販売しているものだけを食してください。
のユリ科の植物は、アルカロイド系の毒を含んでいます。それを万が一食べたとすると、自律神経や呼吸器系統に悪い意味で作用します。それは非常に危険であり、生死にかかわる状態を招きます。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ユリ科の品種で食用のチューリップの球根もあります。またユリ科の仲間でアスパラガスやタマネギは日常で私たちは食べていますよね。そういった意味でも、すべてのユリ科植物に毒があるという訳ではないのです。
ユリの毒は猫にとって大敵なの?
動物にとっては、何らかの害になる程度には、食料として適さない種類が非常に多いです。植物は自身が移動することができません。すなわち、摂取者から逃避行動がとれないのです。したがって植物は化学防御が発達し、その毒の成分をつくりました。その毒は致命的な毒とはなり得なくとも、自身の摂食を免れるようになったと考えられているのです。
好奇心旺盛の猫にその化学防御された毒との接触を避けてください。
ユリは例え動物たちにいたずらされても生き続けています。命を絶ってしまうのは動物であると思ってください。
ご家庭で猫を飼っていらっしゃる場合は、花瓶や生け花でユリを扱っていたり、外に散歩するときに近くにユリが自生する場所など十分にユリ科の植物を誤って猫が口にしないように注意を払ってください。
ユリから中毒した場合の症状とは?
恐ろしいほどのユリの中毒は、大きく3つに分かれます。
・腎臓の損傷と機能が停止します。
・嘔吐、下痢、脱水症状が見受けられます。
・おしっこが出ない症状となります。
実は今現在、そのユリの毒は、すべて解明がなされていません。好奇心旺盛の猫たちからユリを遠ざけなければなりません。
ユリの毒は犬には大丈夫なの?
先に結論を申し上げますと、犬の場合も猫と同じように中毒を起こします。ユリの毒の解毒剤は現在ありませんので、胃の洗浄や吐かせたりすることが
大切。万が一散歩や部屋の飾ってあったユリを犬が口にした場合は、すぐに
動物病院へ行くことをおすすめします。
ユリは中でも毒性が強いのは花びらや葉の部分に多いでのす。
猫と同様に、症状は少量摂取しただけでも腎臓機能を低下させ、腎不全を
起こしてしまいます。
【まとめ】
ユリの毒性を飼い主が知らず、花を飾ったり、またお祝いでいただいた花束にもユリがあったり、外を散歩してユリと接触したという事例で飼い猫や犬が亡くなるケースも珍しくはありません。ユリの中毒で発症した場合、一週間で命を絶たれます。
ユリと接触した時には、獣医師に相談、治療のためいち早く動物病院へ行くことが愛猫、愛犬の命を守ることなのです。