よく耳にする言葉は 「ユリの花粉はおちにくい」ということですね。ユリの中でも数々の種類の花粉があります。ヤマユリ、オニユリ、カノコユリなどは朱色で油性のものの花粉です。ユリの花粉はおしべの粘性土が強く、そして量も多いし、形も突起があります。触るものに密着しやすいおしべの構造があります。したがいまして衣類についてしまったら大変なことになってしまいます。
ユリの花粉の主成分は脂質類です。そのため、粘着力が強くベタベタしています。このシステムはユリの花に近づいた昆虫の体に花粉を付け、受粉しやすくするためなのです。そのため、一度洋服に付いてしまうと頑固な染みとなり、なかなか落とすことができません。 その逆に、利点としてはその強い色素を利用して、草木染めの材料としても使われています。 ここでは、その解決方法をお伝えします。
ユリの花粉の落とし方は?
■ユリの花粉の落とし方
ユリの花粉は粘着性があり草木染めの材料としても使用されています。そのため、一度洋服に付くと非常に取りづらいです。
ステップを踏んで花粉の取り方を説明します。
□ステップ1 (2・3・4のいずれかをしてみる)
最初に行うべきことは、やはり表面に付いている花粉を取り除くことでが第一優先。
1. まず、花粉を乾燥させます。
2. その後柔らかいブラシやティツシュペーパなどを使用して、表面の花粉を丁寧に払い落とします。
3. 粘着テープを使用することも有効的です。
※注: この時、花粉が付着した部分を、同じ個所を何度も触ってはいけません。
4. 掃除機を利用してみる。
ホースの丸いノズルに布をかぶせ、まずは「弱」モードで試してみます。
「強」モードですと衣類の布地を痛めてしまう恐れがあるかもしれません。
いずれのモードにしても、よく衣類から花粉が取れているか、観察しながら調整することが大切です。
□ステップ2
直射日光を利用してみます。紫外線のエネルギーは、色素を吸収するはたらきがあります。その力を利用して表面の花粉を落とした後、残存している花粉の付いた洋服を直射日光に当てることはたいへん有効的です。
※注: 但し長時間は禁物かもしれません。衣類によっては、 直射日光による色あせが生じるので、気を付けてください。
□ステップ3
無水エタノールや除光液を使用してみるのも有効です。除光液には「アセトン」という成分を含んでいて、それは脂溶性のものをよく溶かす性質を持っています。そのため、ユリの花粉による染みに効果的です。 但し、なかなかアセトン溶液は一般には手に入りません。ですからアセトン溶液を含有しているマニキュア除去液もおすすめです。また、油性の染みを取るのに有効的なのが、アルコールの一種である、無水エタノールです。この無水エタノールは薬局で購入することができます。
※注: 無水エタノールや除光液を含ませた布を使用する時は、下にタオルを敷きましょう。この時、絶対にこすらないように、ポンポンと上からたたきつけるようにしてくださいね。
【まとめ】
ユリの花粉は再三述べました通り、衣服に付着すると大変厄介なものです。ふとしたきっかけで、例えばパーティ会場で飾ってあったユリの花粉に接触したりしたら、身を包んだ素敵なファッションも台無しですよね。絶対に焦らず、根気よくその花粉を落とすことが賢明です。こすってはいけません。ユリはとても綺麗で上品な香りを放ち、私たちをホッとさせる反面、毒性を持ち、また粘性土の高い厄介な花粉があることを忘れてはなりません。