夏の庭先を華やかにしてくれるユリ。しかしその時にも実は土の中で球根がさまざまな病害に侵されているかもしれません。放っておくと取り返しのつかない状態になり、土壌で菌が繁殖していってしまいます。そうならないためにも、薬剤散布を怠らないようにしましょう。
あらかじめ、球根を植えつける際に消毒を施します。しかし、ユリの球根にはどのような消毒液が効果的なのか、また、その方法をみていきましょう。
【ユリを枯らさないために、予防と治療に効果的な球根の消毒とは】
ユリには球根腐敗病という病害が発生することがあります。成長した葉が緑色から紫色に変色しやがて株が枯れてしまう病気です。予防対策として散布する消毒剤はホーマイ水和剤がおすすめです。まず球根を、200倍に希釈した液に30分浸漬させ取り出したら、よく乾かしてから植えつけをします。
チョウ目、アブラ虫など多くの害虫に対しての予防であれば、ランネート45DFが良いでしょう。卵から成虫まで効力があり、葉のウラ側にも有効です。使用方法はホーマイ水和剤とほぼ同じですが、こちらは500倍に希釈した液に30分浸漬させます。
殺菌剤として使用するならベンレート水和剤があります。茎と葉の病気、土壌や貯蔵病害、種子の伝染病など多方面に効果を発揮します。低濃度の使用なので作物の汚れが少なく、なにより経済的です。こちらも500倍に希釈して使用します。まんがいち発症しても治療剤としても使えるので、予防と治療の二つの効果が期待できます。ただし、ベンレート水和剤にいくつかの注意点があります。まず耐性菌ができやすいため、連続しての使用は絶対にしないようにして下さい。そして、水に溶いたらその都度使い切るようにしましょう。
【まとめ】
ユリを含め植物は、あらゆる病害やウィルスなどの危険に脅かされています。少しでもそのリスクを減らすために対策しなければなりません。そのひとつとして、球根の植えつけをする前に必ず消毒処理を忘れずにする事が大切です。そして、消毒液の取り扱いには十分な注意が必要になります。予防と治療それぞれの特性を理解して、せっかくの球根を枯らしてしまわない様、あらやる対策をとり、園芸を楽しみましょう。