月下美人は南米産のクジャクサボテンの一種で、すばらしい香りをもつ夜開性の花です。
学名は 「Epiphyllum oxypetalum 」エピフィルム オキシペタルム。
花の時期は6月から10月頃で20センチほどの大輪の花を咲かせます。
世界中に自生がみられ、温度さえあれば一年中咲き続けます。一度開花した花は一晩でしぼんでしまうため、日本では「美人薄明」「はかない恋」などの花言葉がよく知られています。
英語圏では、甘くて濃厚な香りと、ぬめり感のある花弁の花姿のほうがクローズアップされていて「強い意志」や「危険な快楽」などの花言葉で知られています。
月下美人の英語での読み方は?
日本名の月下美人の名前の由来は諸説ありますが、静かな月夜にひっそりとたたずむ美しい女性・・・そんな姿を想像したのでしょう。
月下美人は日本でとても人気が高い花ですが、開花しても一晩でしぼんでしまう儚さや、昼間ではなく人目につかない夜にだけ咲くという特性が、日本人の感性をふるわせる何かがあるのではないでしょうか。
ところが、英語圏では「Dutchman’s pipe cactus」ダッチマンズ パイプ カクタス、「Queen of the night」クイーン オブ ザ ナイトと、日本とは少し違った呼び方をされています。
月下美人の英語での意味は?
「Dutchman’s pipe cactus」ダッチマンズ パイプ カクタスは、「オランダ人のパイプ」という意味です。
最初、下向きに育った蕾は開花する数日前から上を向きだし、上向きに開花します。
花首の部分で急に上に強く湾曲した形で咲く花姿がパイプに似ているので、そう呼ばれています。
「Queen of the night」クイーン オブ ザ ナイトは「夜の女王」。
暗闇に白く浮かび上がる大輪の花の存在感には他を圧倒させる貫禄が感じられます。
甘く特徴的な芳香は、姿が見えなくても存在を確信させるほどの強い香りです。
まさに女王の名にふさわしい花です。
【まとめ】
月下美人は世界中で人気のある名花中の名花です。
国や文化、感性の違いなどから同じ花でも見方や呼び方が変わるのは大変興味深いことですね。
開花した花が一夜限りでしぼんでしまうことがクローズアップされ、儚いイメージをもっている日本とくらべ、英語圏ではその堂々とした花姿や妖艶な香りから力強い意志や生命力を感じとり、名前や花言葉に表れているのでしょう。
夜にしか花を咲かせないので、なかなか咲いている姿を見る機会はないかもしれませんが、もし見かけたら、あなたはその姿からどのような魅力を感じるでしょうか。
一夜限りの美しさをぜひ堪能してみてください。