アネモネは3月から4月に開花をはじめ、赤、白、ピンク、紫など多彩な花色で目を楽しませてくれます。アネモネはキンポウゲ科イチリンソウ属で、主に地中海沿岸に分布する球根植物です。日本では、「紅花翁草」「花一華」「牡丹一華」といった和名でも親しまれています。そんなアネモネはギリシャ語で、「風」という意味を持ちますが、今回は名前の由来や語源について解説していきましょう。
アネモネの名前の由来は?
アネモネ(anemone)という花名はギリシャ語で「風(anemos)」という意味です。早春のさわやかな風に吹かれて花が揺れる様子にちなんで名付けられたという説と、ギリシャ神話の西風の神ゼフュロスが恋したアネモネという名前の女神が語源だという説もあります。
西風の神ゼピュロスは、花の女神フローラの恋人でしたが、次女のアネモネに恋してしまいました。それを知ったフローラは怒り、アネモネを追放しました。ゼピュロスはフローラとの仲を保つため、仕方なくアネモネを諦め、その姿をアネモネの花に変えたといわれています。花に関連した神話は恋愛系が多いですが、アネモネの話は、実らない恋、はかなさを感じますね。このためアネモネの花は、ヨーロッパでは、古くから美しさとはかなさの象徴とされています。花言葉も「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」など悲しく切ないイメージがあります。
アネモネが世界で知られるようになったのは、中世ヨーロッパの十字軍遠征の戦いで、兵隊たちが、エルサレムに咲いていた、美しいアネモネを持ち帰ったことがきっかけとも言われています。その後、オランダやイギリスで品種改良され、多彩の種類のアネモネが誕生し、世界に広まったそうです。
アネモネの英語の発音は?
Anemoneの英語の発音はアネモネではなく、「アネメニー」に近い感じです。また、ギリシャ語の「風」に由来していることから、英語の別名も「Windflower(風の花)」といいます。または「Lily of field(リリーオブフィールド)」「Poppy anemone(ポピーアネモネ)」
とも呼ばれています。イギリスでは、キリスト教が広まってからはキリストの血から咲いた「奇跡の花」とも伝えられているそうです。
英語の花言葉は「anticipation(期待)」「forsaken(見捨てられる)」です。
日本と同じように、はかない恋といった意味があるようです。
【まとめ】
いかがでしたか?アネモネの花の名前の由来はいくつか説があるようです。アネモネの花は南国をイメージするような、華やかな雰囲気がありますが、語源は必ずしも明るく楽しいものばかりではありません。アネモネの花言葉もギリシャ神話の切ない話が由来になっているようです。アネモネの花を思い浮かべながら、読んでみるのもいいですね。