恋人への愛、美しさ、高貴さの象徴として多くの人に愛されている花、薔薇。古くから思いを寄せる人へ贈る花として親しまれてきました。北半球の広い地域に自生し世界的に最も人気の花の一つです。バラの語源は、茎にある茨(いばら:トゲ)が由来とされ、「綺麗なバラにはトゲがある」などの有名な戒めを込めた言葉もあるほどです。日本にも古くから自生しているバラは明治時代以降、西洋文化が本格的に流入し徐々に人気が高まり、今日に至ります。現在でも園芸花としても非常に人気が高い一方で、育てる時期・環境づくりなど一定の注意が必要で、一歩間違えばせっかく育てているバラの花が小さくなる等の育成不良となってしまうこともあります。
成長不良?バラの花が小さい原因3つ
原因の一つとして、根詰まりが考えられます。バラの根が鉢植えの中で伸びる余地を失ってしまっている状態です。鉢植えの中は根がびっしりと詰張り巡らされていて行き場を失ったまま、十分な養分・水分が取り込めなくなってしまいます。このまま放置しておくことでバラの成長が阻害され、花の大きさに影響がでてしまいます。土に棒を挿しても入らない、鉢植えの底から根がはみ出している等であれば、更に大きな鉢植えに「鉢増し」をする必要があります。
バラの花が小さいもう一つの原因として、肥料・水分不足があります。綺麗な花を咲かせるにも栄養が必要です。またバラは新しい芽に養分が行く性質があります。もし二番目に咲いた花であれば、基本的には少し小さくなりますので、土に追肥をしたり、バラの葉に液状肥料を散布することで、花が元気を取り戻します。夏の暑さはバラにとっても厳しいようで、夏に咲く予定のバラは、水分不足になりがちです。保湿の高い土を選定したり、こまめに花の状態を見ながら、水やり管理をしましょう。
害虫の可能性もあります。特に乾燥した状態ではハダニが良く見られ、葉から養分を吸取られることで、色素がうすれ、かすれたような模様や斑点などが出るようになります。葉の裏をルーペなどでチェックすることで潜伏しているかがわかります。非常に繁殖力が強い害虫なので、早期発見と処置が肝要です。薬剤を使って駆除もできますが、被害が初期の場合は、朝夕に水を噴霧して湿気を持たせることで駆除することができます。
【まとめ】
バラは美しい花を咲かせる一方で、こまめな手入れも要し、育てる人の自分への偽りのない愛を試しているかのような一面があります。一日にしてその美しい花が咲かず、何日もかけて育てる人の愛情や手間ひまを受けることで、自身の美しさをより一層引き立て、見る人を魅了するのかもしれません。