日本が原産の椿は歴史の古い植物です。中国から梅が入って来るまでは、椿が1番の吉祥木として厄除けや福を呼んだりと、椿に思いを託していました。また、化粧品や油、力士のびんつけ油などにも使われています。茶道の普及に伴い、椿は茶室に生ける花のなかで品格のある花で「茶花の女王」と言われています。このようなことからも、椿は貴族の中で、高貴な花として楽しまれていました。しかし、武士の中では、椿が首から花がポトリと落ちることから家紋に使用することはありませんでしたが、古くから椿は厄除けの植物とされていたりするため、椿は着物の模様などに使われています。では、着物に使われている椿の模様の意味とは、一体どのようなものなのでしょうか。
椿の模様の意味とは⁉
着物や帯の模様として使われている椿には、意味があります。椿は古くから日本人に愛され続けている花で、その花は鑑賞的な域を超えて文様としても広まりました。特に江戸の茶人の小堀遠州が愛した文様が「遠州椿文様」と呼ばれています。その後も、椿の模様は広まり続け今現在に至っても人気の高い模様になっています。椿は、春の訪れを知らせる花ではありますが、品種改良のため年中、椿の花を楽しむことができることから、3〜5月の開花時期以外の四季関係なく、椿柄の着物や帯を着ることが多くなりました。
また、吉祥木であることからも、椿の模様は、厄除け文様としてオールシーズン着ることのできる着物の模様です。着物の模様として多く描かれている椿は「草花文」と呼ばれる模様の1つで人気のある模様です。人気がある模様のため、様々な椿の模様のデザインがあります。遠州椿文様のほかに、籠目椿・枝椿などのバリエーションがあります。花が首から落ちるため縁起の悪い花とされていますが、着物の模様として使われているのは、椿油など捨てるところがないほど
の副産物を生み出す花でもあるため、神秘的な力を持った花と言われてきました。このことから、椿は永遠の美といった意味や邪気を祓うといった意味が込められています。
【まとめ】
長い歴史のある椿の花は、いつの時代も日本人の心をつかみ、鑑賞用を超え模様としても愛され続けています。その模様は、日本の文化である和装にも使用され現在においても、年中を通しても楽しめる模様となっています。花びらが少なく清楚で綺麗な椿は、着物以外でも多く使われています。様々な和物で使われる椿は、四季を大切に重んじる日本人に長く愛されてきた花だということがわかります。