寒い冬を越え、春はたくさんの命が芽吹く季節。バラも例外ではなく、特に春だけに咲く一季咲きのバラにとっては年に一度の晴れ舞台となります。そのため冬はバラにとって大切な時期です。バラ園などに出かけるとアーチ状や、壁面に飾り付けたかのように豪華に咲いたツル状バラやなど芸術的とも言えるバラのオブジェの数々を見る事が出来ます。これはもちろん熟練の庭師さん達が計算したものです。この花を咲かせたい場所に棒などを使用して導いてく作業を誘引と言います。今回はバラの誘引どのように行っているのか、時期や道具などついてご紹介いたします。
綺麗なお庭を造りたい!バラの誘引方法。
ほとんどの場合、誘引は枝が長く伸びるツル状のバラで行います。冬剪定と同時進行で、古い枝を切りながら、春に咲いている状態をイメージしながら誘引していきます。またバラには頂芽優勢と言う性質があります。先端部に養分が優先的に行くようになってるので、剪定の際は、どの枝の先端も同じ高さで水平にする事で養分が行き渡り、バランスの良い誘引となります。
初心者の方でも簡単に綺麗な誘引できるものとしては市販されているアーチやオベリスクを使用すると良いでしょう。オベリスク等を使用して誘引する際には、バラの枝を均等に、螺旋状に張り巡らせるようにします。飛び出してしまう枝などは、ワイヤーなどでオベリスクの近くに来るようにくくりつけておきましょう。
少し慣れたら、家や庭の塀などの壁面に誘引することで春には華やかなバラの壁が出来るようになります。その際には全体をイメージしながら、雨樋や壁面張り巡らせたワイヤーや麻ひもにくくります。枝それぞれを手のひら分の間隔を開けて張り巡らせるとバランスが良くするコツです。
バラの誘引にベストな時期は!?
バラの誘引の時期は、12月〜1月中旬までに行います。春に新しい芽や大きな花を咲かせるために、古い枝を短く切り取る剪定と同時に行います。剪定・誘引を行う一週間前ほどに、バラの枝にある葉っぱを取り除いて、光合成を少なくし休眠状態にすることで作業をしやすくすることができます。寒さが進みバラの枝が固まってしまうと誘引しにくくなり折角出た芽がぼろぼろととれてしまう恐れがあるため、遅くとも1月中旬までには誘引を終わらせておきましょう。
これだけは必要!?失敗しないバラの誘引道具。
装備は、ガーデニング用の長袖服+バラ用の手袋、剪定ばさみです。また剪定時に枝が跳ねて怪我をしないようガーデニンググラスも着けるようにしましょう。誘引するためにペーパータイやワイヤー、または麻ひもでも良いでしょう。枝に張りがあるので誘引の際は、バラのトゲに注意が必要です。
【まとめ】
上品で豪華なイメージのバラ。壁やフェンスに咲き乱れる様子はとても美しく、明るく賑やかな春の訪れを感じさせてくれます。春にバラ園などで見る事が出来る美しいバラのオブジェは、寒い中手をかじかませながら作業している方々の思いによって生まれています。現在ではいろんな便利な道具、コツなどもたくさん紹介されているので、ぜひツル状のバラを育ててお庭に彩りを加えてみてはいかがでしょうか。