美しいバラを楽しむために大切な作業のひとつとして、摘蕾(てきらい)があります。摘蕾とは、文字通り「蕾(つぼみ)を摘む」ことです。

 摘蕾することで、なぜ美しいバラを楽しむことができるようになるのでしょうか?摘蕾は、どういうタイミングで行うと効果的なのでしょうか?

 

バラを摘蕾する要領と行う時期

バラ 摘蕾 時期

 摘蕾 (てきらい)とは、花が咲く前のつぼみを摘み取る作業です。余分なつぼみをあらかじめ摘み取っておくことで、残したつぼみに十分な栄養を行きわたらせ、より大きく美しい花を咲かせる目的で行います。

摘蕾は「つぼみの間引き」と表現した方が、より適切かもしれません。

摘蕾は、バラの花が盛りになる前、これから咲きだそうというつぼみが多数ある時期に行います。一般には4月ごろに最初の摘蕾を実施します。四季咲きの品種では、1番花がつぼみをつけたとき、次に2番花がつぼみをつけたとき、というように随時行うことになります。

バラの摘蕾では、通常一本の枝の中で最も充実した中心のつぼみだけを残し、周囲の小さなつぼみを取り去ります。残ったつぼみに十分な栄養を行きわたらせて、より大きく美しい花を咲かせるために、摘蕾は行いまです。

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 一方房咲きのバラのように、数多くの花が群れるのを楽しむ品種の場合には、中心の大きなつぼみを逆に摘蕾して、周囲のつぼみを残しておくこともあります。

 摘蕾をしないままバラの枝を放っておくと、より多くの数の花を咲かせることができます。ただしひとつひとつの花に十分な栄養が行き渡らないので、開く花はどうしても小さくなり、花びらの数も少なくなります。

 夏の蒸し暑い季節には、無理して花を咲かせても株の消耗が激しくなります。そのため株の夏バテを防ぎ秋のシーズンに備えて、真夏の摘蕾を行います。

 真夏に花を咲かせても、質の悪い小さな花がぽつぽつと咲くだけですから、真夏の摘蕾ではすべてのつぼみを取り去ってしまいます。夏の摘蕾は春の摘蕾とは目的が違うのです。

 

まとめ

 摘蕾は大きな充実したバラの花を楽しむために行う「つぼみの間引き」作業です。そのため通常は春のバラの開花シーズンに行います。

 その一方、夏の高温多湿の時期にバラの株が消耗してしまうのを防ぐため、夏の摘蕾を行ったりもします。

暑い季節のバラの花にはほとんど期待が持てないので、夏の摘蕾を実施します。秋の第2の開花シーズンのために株を充実させておくための作業です。