青紫色で星の形をした桔梗の花。

秋の七草としてもよく知られ、昔から日本の秋の風物詩として親しまれています。

そんな桔梗の花、近い将来見ることができなくなるかも・・・なんて言われたら驚きますよね。

しかしながらそれは本当のことで、桔梗は絶滅危惧種に指定されているのです。

身近な植物であるはずの桔梗がなぜ絶滅危惧種なのか、簡単にお話していきたいと思います。

 

桔梗が絶滅危惧種に指定されてるのにはこんな原因が

桔梗 絶滅危惧種 原因

みなさんは「半自然草原」という言葉を知っていますか?

日本のように湿潤温帯の場所では、草原などに人の手が加わらずにいるといずれ森林になってしまいます。そこへ草刈りや火入れ、放牧が入ることで、常に草原が維持されている環境を「半自然草原」と呼びます。この半自然草原は人間の暮らしにおいて身近な存在でしたが、高度経済成長に伴い土地開発が各地で行われたことが原因でその数は減少傾向にあるのです。

その結果として、多くの半自然草原性の植物は絶滅の危機に瀕しています。

その中に桔梗も入っていて、環境省レッドリスト(2017)では「絶滅の危険が増大している種」として、「絶滅危惧種Ⅱ類(VU)」に指定されています。

ここでレッドリストについてですが、レッドリストとは国際自然保護連合(IUCN)が作成した絶滅の恐れのある野生生物のリストのことです。

日本では環境省の他に水産庁や地方公共団体、学術団体などから作成されています。

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さて、日本はもとより朝鮮半島から中国、東シベリアに分布する多年草の桔梗は、元々が野生の山野草です。

園芸店やホームセンター等で桔梗の苗が売られていますが、これらは野生種同士をかけ合わせて品種改良をするか、遺伝子を強制的に組み替えて増幅させて作られたものです。

このような新種を作り出すのに突然変異だけに頼ると安定した品種が作り出せないので、原種となる野生種の遺伝子を研究材料にします。

そういった意味でも、桔梗を始めとする野生種の保存は大きな課題なのかもしれませんね。

 

まとめ

桔梗は栽培されたものが園芸店に並び、いつでも目にすることができるせいか、多くの人は絶滅の危機にあるほど少なくなっていることを知らないと思います。

桔梗の花を通して、人と自然の関係を見直す機会が増えると良いですね。