ユリは球根を植え付けて育てるのが一般的ですが、種から育てることも可能です。中でもテッポウユリやシンテッポウユリ(テッポウユリと外来のタカサゴユリの交配種)は種から育てるのに向いています。
一般的なユリは種から育てると芽を出して株が充実し、花が咲くまでに4年から5年はかかりますが、テッポウユリやシンテッポウユリの場合、種まき後、運が良ければ1年くらい育てると花を見ることができます。
ここではテッポウユリを例にとって、ユリを種から育てる方法を紹介することにします。
ゆりの種の育て方
ユリの種が市場に流通することは、ほとんどありません。ユリを種から育てるためには、自分で種を採取する必要があります。花が枯れた後も放置しておけば、種がいっぱい詰まった縦長のサヤができるので、サヤから種を取り出して使います。種は紙袋にいれて、種まきの時まで風通しのよいところで保存します。
種を取った後の球根は弱ってしまうので、翌年つける花が小さくなってしまうことにも注意が必要です。したがって「種も球根も」といった二兎を追うような考え方はやめる方が無難です。
ユリの種まき時期とその要領
テッポウユリの種まきの時期は毎年11月から12月、秋の終わりから冬の初めにかけてです。育苗ポットなどに小粒の赤玉土を入れて、保存しておいた種をまいて、薄く土をかぶせます。後は土が乾かない程度の間隔で水やりをするようするだけでOKです。
まいた種は1か月くらい経つと発芽します。発芽温度は15℃から20℃です。小さな苗に霜を当てないように気を付けて、管理をして下さい。
本葉が4枚から5枚くらいになって地中の球根がしっかり育ってきたら、庭や深い鉢に定植します。苗の間隔は15cmほどあけるようにして下さい。ユリはしっとりと湿っている土を好むので、適宜水やりをするのを忘れないようにしましょう。
【まとめ】
以上、テッポウユリを例にとってユリを種から育てる方法を紹介しました。旺盛な成長力を誇るシンテッポウユリの育て方も、テッポウユリに準じます。
種から育てることが可能なユリの品種は他にも多数ありますが、成長して花が咲くまで数年かかるのが常なので、もっと辛抱強くなる必要があります。