地植えのバラは、庭を贅沢に彩り、その香りは癒しを与えてくれます。「違った種類を栽培したい」や、「環境が合っていないのでは?」と感じた時、植え替えを試そうと思うことがあるでしょう。これから、地植えのバラの移植(植え替え)について調べます。
【バラの地植えへの植え替え】
①バラの苗の呼び名
バラには、春から初夏頃に店頭に並ぶ「1年苗(春苗)=新苗」と、秋頃まで、または、それ以上、育てられた「大苗=2年苗」がある様で、これらは、バラを栽培する人たちにとっては、普通に使われる言葉の様です。
②バラの移植に適した時期
・新苗は、春の購入が一般的の様ですから、地植えで生長した新苗も時期を揃えて、出
回りの時期に移植をする様です。
・大苗は、根が土と馴染みやすい1~2月頃(休眠期)に移植するのが良いといわれてい
ます。
・どうしてもそれぞれに合った時期に移植ができない様であれば、鉢植えの場合は、
根についた土をできるだけ落とさず、地植えの場合は、根の張りを考えて(根を傷付
けない様に)少し大きめに土を取り、移植するのが良いそうです。
・バラにとっての水やりは、バラを移植する場所の環境と同じくらい大切な作業だと
いわれています。水やりの作業がしっかりできる様であれば、秋に購入した苗であ
っても休眠期を狙って移植することもできるということです。この場合は、バラの
根についた土をしっかりと落として移植することが望まれる様です。
③バラの移植に適した環境
バラには、バラに適した環境がある様です。バラにとっての環境は、生長していくために良くも悪くも影響を与える大切な条件だといわれています。
・日当たりが良いこと:1日中、日に当たっているくらいを好むらしい
・風通しが良いこと:人が「気持ち良い」と感じるくらいが良いらしい
・土の状態(調合)が合っていること:バラ専用の培養土が良いらしい
・水の補給量が合っていること:水はけが良い方が良いらしい
④バラの移植方法
バラの移植方法には、「鉢増し(今よりもひと回り大きな鉢への移植)」と「鉢替え(同じサイズの鉢への移植)」と「地植え(鉢植えから地植えへ植え替える)」などがある様です。
・鉢植えから鉢植えへ(鉢増し)
(1)バラの苗を鉢から取りだす
(2)根についた土を半分ほど取り除く
※休眠期のみ
(3)バラ専用の土が入ったひと回り大きな鉢の真ん中に置く
(4)根が切れない様に広げる
(5)バラ専用の土を隙間なく入れる
※押さえつけない
(6)枝は園芸用の支柱とひもなどで支える
(7)元々の株との境がなくなったら水を与える
※土だけに水を与える
(8)日当たりの良い場所に置く
(9)約2週間は、置き肥として発酵油かすを与える
(10)様子を観察しながら液肥を少しずつ与える
・鉢植えから鉢植えへ(鉢替え)
「鉢替え」は、同じサイズの鉢に植え替えることですが、バラにとっては「土が新しく
なること=栄養豊富な環境になること」を意味しているそうです。方法は、「鉢増し」
と同じで良いということです。
・鉢植えから地植えへ
(1)移植先の環境(土作り)を整える
・おおむね50×50×50(cm)の穴を掘る
※バラの根の深さに合わせる
・穴の底に肥料や堆肥を入れて混ぜ、そこを隠す様に薄く土を乗せておく
(2)鉢植えのバラを鉢から抜き取り、水で洗う
※必ず「休眠期=1~2月」に行う
(3)水に任せてきれいになった苗(根)を準備のできた穴に置く
※移植ぎりぎりまで水からださない
(4)短い根は広げて、長い根は大きく丸める
(5)土を地面と同じ高さより、茎に向かって少し高く乗せる
(6)水をたっぷり与える
・地植えから地植えへ(場所の移動)
(1)移植先の環境(土作り)を整える
・おおむね50×50×50(cm)の穴を掘る
※バラの根の深さに合わせる
・穴の底に肥料や堆肥を入れて混ぜ、そこを隠す様に薄く土を乗せておく
(2)バラの生長に合わせた場所を掘り返す
※バラの根元を中心に、半径30cm以上離れた周囲を掘る
(3)根の様子をよく観察して、剪定する
(4)根の剪定具合に合わせて、茎などを剪定する
※長い茎がある場合は、優しく束ねておく
(5)短い根は広げて、長い根は大きく丸める
(6)土を地面と同じ高さより、茎に向かって少し高く乗せる
(7)水をたっぷり与える
【まとめ】
バラは、時期を選んで、新苗でも毎年、大苗なら3~5年に1度は移植することが望ましい様でした。バラにとっての移植は、①根詰まりの解消、②病気の予防、③バラに適した土への住み替えを意味し、長く楽しむコツだということも分かりました。
鉢植えのバラは、バラの生長に合わせて鉢も今の鉢よりもひと回り、またひと回りと、大きくする必要があることも分かりました。
バラの移植は、バラの活動が緩やかな「休眠期」に行うことが望ましく、その頃には「根を洗うことも可能」とのことですが、「鉢植えの場合は、できるだけ土を落とさない方が良い」というのが一般的な様でした。
また、移植の時期を選んで行えば、失敗も少ないということも分かりました。