庭に咲いた薔薇の花を、挿し木で増やしたいと思うとき、季節はいつがいいのかと気になりますね。春夏に挿し木するのを「緑挿し木」、冬に挿し木するのは「休眠挿し木」といわれています。
一般に、挿し木に向いている季節は5月後半から7月で、梅雨時は湿度も高く成功率も高いようです。気温のちょうど良い時期ですと、約1ヶ月半で根が出ます。
夏場は直射日光を避け、日陰に置いて水切れに注意すると、1ヶ月ほどで根が出ます。しかし、痛みやすいので夏場は避けたほうが良いでしょう。
秋の9月中旬から10月は、気温も低めで挿し木に適していますが、発根までは1ヶ月半から2ヶ月ほどかかるので、気長に待ちましょうね。
薔薇の挿し木で水を使う場合
挿し木にする枝のことを挿し穂(さしほ)と言います。挿し穂には、今年のびた枝で、あまり柔らかくない、程度にしまった直径3〜6ミリくらいのものが適しています。
長さ10センチくらいにカッターナイフで切り、挿し穂を作ります。この時、枝の先端はあまり適していません。
その少し下の細い枝が発根しやすいです。また、茎の太い挿し穂は、成長が良く、大きく苗を育てることができます。
カットするときは切り口から雑菌が入らないように、清潔な切り口になるよう注意しましょう。また、水を吸いやすいように斜めに(クサビ形)に切ります。
葉の部分は、水分蒸発になるので三、四枚残して葉を落として挿し穂を作ります。
「水挿し」では、比較的手軽に挿し穂を育てることができるので人気です。発根するまで1ヶ月以上はかかりますが、根の成長を観察できる楽しみがあります。
プラスチックのコップに水を入れて、挿し穂をさしますが、ポイントは、「珪酸塩白土(商品名はミリオンA)」を入れることです。
これは秋田県で採掘される白い粘土で「土の王様」、「魔法の白土」とも呼ばれています。その上に、キッチンペーパーを乗せて、水を注ぎ、挿し穂を差します。
薔薇の挿し木で土を使う場合
100均でも良いので、新しいプランターと受け皿を準備します。土は、鹿沼土や赤玉土小粒などで、雑菌のない清潔な土や容器を使用することが大切です。
剪定した枝は1時間ほど水を吸わせます。それをカットして挿し穂を作り、切り口にルートンをつけます。ルートンとは市販されている白い粉で、挿し木の時の発根促進剤になります。
そして、あらかじめたっぷりと水を吸わせた土に、4〜5センチくらいの深さに挿します。
置く場所は明るい日陰に置き、直射日光が当たらないように、乾燥しないように注意しましょう。
まとめ
水でも土でも挿し木できますね。水挿しの方が、発根の成功率は高くなりますが、土植えの場合と根の性質が異なりますので、土植えにした時に一時的に弱ることがあります。
ポイントは切り口から雑菌が入って腐らせないようにすること、直射日光を避け、乾燥に気をつけることですね。あなたの大好きなバラを挿し木で増やして、また、新しく買った薔薇の品種の子供を育て、バラを長く楽しんでくださいね。